東京・国立競技場で1月2日、第49回全国大学選手権大会の準決勝第2試合が行われ、筑波大が28−26で東海大を破り、創部以来初の決勝戦進出を決めた。国立大学としても初の快挙である。
関東大学対抗戦Aで1位だった筑波大と、関東大学リーグ戦1部を制した東海大による準決勝。
先制したのは筑波だった。前半6分、22メートルライン外でペナルティをもらうと、NO8山本浩輝が速攻を仕掛けゴール目前に迫り、最後はLO鶴谷昌隆が持ち込んでトライを挙げた。
しかし、筑波と同じく初の大学日本一に燃える東海大がすぐに反撃する。12分、筑波のFB内田啓太がボール処理に手間取り、プレッシャーをかけて奪い取った東海大は、CTB湯ノ迫毅が判断よく無人の右前方にキックパスを放ち、大外にいたWTB近藤英人がインゴールで確実にボールを押さえた。33分には、CTB湯ノ迫がパスダミーと鮮やかなステップワークで22メートル外から中央を切り裂き、トライ。東海大はさらに40分、敵陣でのスクラムからサインプレーが見事に決まってWTB石井魁が抜け、サポート速く、最後はNO8村山廉がインゴールに飛び込んだ。
5−21。16点を追う筑波大。後半はディフェンスを整備し直し、まずはペナルティゴール(PG)を決めて徐々にリズムを取り戻した。16分には、22メートル内でフェーズを重ねてLO鶴谷がトライ。テンポアップした筑波は23分、WTB彦坂匡克が中央ゴール前まで持ち込み、すばやい左への展開からFB内田が飛び込んで1点差に迫った。そして27分、SO片桐康策がPGを決めて逆転する。23−21。
だが、ゲームはこのまま終わらない。筑波大の勢いを止められず、後半は防戦一方の東海大だったが、相手のミスから息を吹き返した。32分、再び自陣深くに攻め込まれたものの、筑波がボールをこぼし、一気にカウンターアタック。BKがうまくサポートしながら左サイドを破ってゴール前に迫り、最後はPR平野翔平がゴールラインを越えた。23−26。
しかし、筑波大の勝利への執念がリスタート直後に実を結ぶ。35分、途中出場のLO藤田幸一郎がキックチャージに成功すると、転がる球をFL粕谷俊輔が拾って逆転トライ。これが決勝点となった。
国立大初の大学ラグビー日本一という快挙達成まであと1勝。1月13日に行われる決勝戦の相手は、早稲田大を38-10で下した帝京大だ。
史上初の4連覇がかかる王者・帝京大は、今シーズンの関東大学対抗戦で筑波大に10−24と敗れており、こちらもチャレンジ精神を持って決戦に臨む。
【関連記事】
帝京大が早稲田大に快勝 大学選手権4連覇の偉業へあと1つ
http://rugby-rp.com/news.asp?idx=103575&code_s=1002