モールを組む東福岡の強力FW。王者は着実に前進している
(撮影:松本かおり)
全国高校ラグビー大会4連覇の期待がかかる東福岡が、12月30日の2回戦に登場し、遠軽(北北海道)相手に102−0と完勝した。花園で輝くために、徹底的に鍛え上げてきたモスグリーンの男たちは、FW・BK一体となって計16トライ。「ここにきて、グッとよくなりつつある。だんだん雰囲気が出てきた」と藤田雄一郎監督も手ごたえをつかんでいた。
打倒ヒガシに燃える他のシード校も順調に3回戦へ駒を進めており、第1グラウンドの第5試合に登場した報徳学園(兵庫)は44−0で平工(福島)に快勝、第2グラウンドの最後に高鍋(宮崎)と戦った茗渓学園(茨城)は57−5で初戦を突破した。また、全国センバツ準優勝校の石見智翠館(島根)を5月の中国地区大会で破った尾道(広島)は、國學院栃木に17−0で勝っている。
その石見智翠館は、長崎南山との2回戦に辛うじて引き分け、抽選で16強入りした。21点差を追いつかれ、目前の勝利を逃した長崎南山・市山良充監督は試合後、「カウンター攻撃で走られていたので(蹴らずに)、もっと時間をかけて攻めるスタイルに転換していれば。ラグビーは難しい」と語った。
南山同様、正月前に戦いの舞台から降りることとなった学校の指揮官は、唇をかみ、それでも前を向く。地力を出し切れず流経大柏(千葉)に大敗の新潟工・樋口猛監督は「すべて中途半端になってしまった。僕の指示不足です」。Aシード校・常翔学園(大阪第1)に屈した萩商工(山口)の石東正之監督は、「後半になって、やっと自分たちらしさを出せる部分があった。最初からやれていれば」と敗戦を振り返った。
一方、勝者のリアクションはさまざま。堅実な試合運びでコザ(沖縄)に完勝した大阪朝鮮の呉英吉監督は「久しぶりにいい試合が出来ました」と満足げな表情を見せ、大阪桐蔭に競り勝ったものの内容に満足いかない國學院久我山の竹内伸光監督は「ラインアウトモールで取られすぎ。修正していきたい」と気を引き締めた。
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<第92回 全国高校ラグビー大会 2回戦結果>
・御所実(奈良) 10 – 5 東京(東京第2)
・佐賀工(佐賀) 28 – 0 日本航空石川(石川)
・秋田工(秋田) 48 – 0 若狭東(福井)
・大阪朝鮮(大阪第2) 45 – 3 コザ(沖縄)
・常翔学園(大阪第1) 70 – 0 萩商工(山口)
・西陵(愛知) 24 – 10 光泉(滋賀)
・深谷(埼玉) 14 – 10 日川(山梨)
・流経大柏(千葉) 46 – 0 新潟工(新潟)
・桐蔭学園(神奈川) 62 – 7 東海大翔洋(静岡)
・伏見工(京都) 34 – 0 荒尾(熊本)
・國學院久我山(東京第1) 21 – 17 大阪桐蔭(大阪第3)
・石見智翠館(島根) 26 – 26 長崎南山(長崎)
※ 抽選の結果、石見智翠館が3回戦へ
・尾道(広島) 17 – 0 國學院栃木(栃木)
・茗溪学園(茨城) 57 – 5 高鍋(宮崎)
・報徳学園(兵庫) 44 – 0 平工(福島)
・東福岡(福岡) 102 – 0 遠軽(北北海道)
御所実に最後まで食らいついた東京(紫)の森監督は、
「勝つチャンスはあったが、ものに出来なかった。来年は我慢できるチームを作りたい」
(撮影:松本かおり)