12月30日、大阪・近鉄花園ラグビー場は雨による不良コンディションなか全国高校大会の熱戦は続き、深谷、桐蔭学園、流経大柏、伏見工、石見智翠館、國學院久我山も3回戦進出を決めた。
春の全国センバツで準優勝だった石見智翠館(島根)は、ベスト8入りを目標に掲げていた長崎南山と対戦し、26−26で引き分けたものの、抽選の結果、花園に残った。
前半は互いに1トライずつ取り、南山が2点リードして折り返した。そして、ハーフタイム前に相手の猛攻をしのいだ南山が先に流れをつかむ。後半2分過ぎ、キックチャージで22メートル内に攻め込むと、フェーズを重ねてモールで前進、SHが展開するかと思いきや、パック後方に待機していたキャプテンのCTB南将太が内からすり抜け、トライを奪った。南山は7分、またもやチャージからチャンスを広げてWTB伊東岳がフィニッシュ。14分には、小柄ながら馬力があるNO8岩永健太郎がモールから持ち出してリードを広げた。
残り約15分で21点差。勝負あったかに思われたが、石見智翠館はモールでトライを返すと、その3分後にはSO忽那健太が自陣から仕掛けてブレイクし、細かくつないで最後はWTB宮原竜也が走り切った。そして24分、再びモールで押し切り、ゴールも決まり同点となった。
くじ運に泣いた長崎南山。堂々たる戦いぶりだったが、ラスト15分間の守りが悔やまれる。
Bシードの深谷(埼玉)は日川(山梨)に14−10と逆転勝ちした。
前半16分、ゴール前スクラムからNO8葛野翔太が突進して先制。しかし、前半にペナルティゴールを1本返していた日川が後半14分、ゴール前スクラムからNO8赤池海が抜けてゲームをひっくり返す。深谷は司令塔の山沢拓也が徹底マークされていたが、残り4分の場面で、敵陣でのハイパントをきっちりキープしてつなぎ、SO山沢のゲインで22メートルラインに迫ると、テンポよく左へ展開し、CTB三笠琳央が一気に抜けて逆転トライを決めた。
あきらめない日川は、ロスタイムにFWが突進を繰り返しゴール寸前まで迫ったが、最後はノックオンでノーサイドの笛が鳴った。
同じくBシードの國學院久我山(東京)は大阪桐蔭に21−17と競り勝った。
前半7分、インゴールでSH今野誠之がキックをチャージし、FL櫻木楽哉が押さえて先制した。後半8分には22メートル内で細かくつないだあと、HO古田雄也が豪快に突進してトライを挙げた。
対する大阪桐蔭はモールを武器とし、後半17分にはLO沖原賢人が飛び込んで4点差に迫る。
しかし久我山は25分、ゴール前でペナルティをもらい、ピック&ゴーを繰り返して最後はFL櫻木がグラウンディング。残り3分を切った場面で大阪桐蔭はFWが前進し、トライとゴール成功で再び4点差としたが、久我山が守り切った。
強豪・伏見工(京都)は荒尾(熊本)の挑戦を、34−0で退けた。前半6分にNO8高橋稔貴がパワフルに突進して先制すると、14分には足場の悪いなか、NO8高橋が自陣10メートルからフェイントを巧みに使い約60メートル独走トライ。その後、WTB奥村颯などもゴールラインを越え、危なげなく3回戦へ駒を進めた。
東海大翔洋(静岡)と対戦したBシードの桐蔭学園(神奈川)は、前半だけで6トライを奪い、62−7と大勝している。同じくBシードの流経大柏(千葉)は、北信越チャンピオンの新潟工を寄せつけず、46−0と完勝した。