荒尾は計7トライを挙げて1回戦突破。次は優勝候補の伏見工に挑む
(撮影:松本かおり)
第92回全国高校ラグビー大会が12月27日に大阪・近鉄花園ラグビー場で開幕し、1回戦8試合が行われた。
全国ベスト8を目標とする長崎南山は、札幌山の手(南北海道)と対戦。前半14分にラインアウトからモールで押して先制した南山だが、再三チャンスを作りながらもハンドリングエラーなどで追加点に苦労し、前半終了間際、札幌山の手のFL亀井智輝にトライを奪われ、5−7とリードされて折り返す。
しかし激戦区のひとつである長崎県を勝ち上がってきた南山は、後半5分、SH深田昂輝がゴール前の密集からわずかなギャップをついてラインを越え、逆転。13分にNO8岩永健太郎がこの日2本目のトライを挙げると攻撃にリズムを取り戻し、結局、34−14で勝利をものにした。
「前半は安易なプレーが多く、丁寧さを欠いた。後半は相手の得意なパターンにはまらないようボールを動かして、最後は相手がバテてくれた」(長崎南山・市山良充監督)
2年連続20回目の出場となった高鍋(宮崎)は、朝明(三重)との接戦を22−19で制した。12点を追う朝明が、後半開始10分間で3連続トライを挙げ、12−19とゲームをひっくり返したが、高鍋は後半12分、WTB津輪元佑馬がパワフルに3人を振り切って同点につながるグラウンディング。そして残り2分の場面で、高鍋のキャプテンであるCTB白石凱人がポスト正面のペナルティゴールを確実に決め、1回戦を突破した。
遠軽(北北海道)は70−7と坂出工(香川)を圧倒し、41季ぶりのトライと勝利をつかんだ。「今年のスローガンはオールアウト。そのとおりやってくれた」と山内宣明監督も笑顔。2回戦では、3連覇中の王者・東福岡に挑む。
尾道(広島)はチャンスの時こそ集中力を高めて得点を取り切り、31−7で岡谷工(長野)を下した。敗れたものの、最後の最後に意地の1トライを返した岡谷工の白鳥憲之監督は、「自分たちのスタイルを序盤から出せていたら」と唇を噛んだ。
國學院栃木は93−0で土佐塾(高知)に圧勝。決して力ずくでトライを奪うのではなく、相手をスピードと技術、そして精度で上回った。「自分たちがやりたいようなラグビーを、そのままあちらにやられた」と土佐塾・西村保久監督。秋沢貴宣主将は、「BKを走らせる自分たちのカタチにもっていきたかったけど、FWが接点で負けてそこまで行き着けなかった」と、高校ラグビー最後の試合を振り返った。
コザ(沖縄)は、SH比屋根裕樹とSO桑江健一郎が巧みにチャンスメイクし、狩俣寛也、當眞皐の両WTBが快足を飛ばして関商工(岐阜)を35−21で下した。
7年連続42回目の大舞台に立った日川(山梨)は、倉敷工(岡山)から12トライを奪って78−7と大勝している。
FWが接点で強さを発揮した荒尾(熊本)は、43−7で富山第一に快勝した。
大会2日目の明日(12月28日)は、1回戦残り11試合が行われる。
<第92回 全国高校ラグビー 大会1日目/1回戦 結果>
・遠軽(北北海道) 70 – 7 坂出工(香川)
・尾道(広島) 31 – 7 岡谷工(長野)
・日川(山梨) 78 – 7 倉敷工(岡山)
・国学院栃木(栃木) 93 – 0 土佐塾(高知)
・荒尾(熊本) 43 – 7 富山第一(富山)
・コザ(沖縄) 35 – 21 関商工(岐阜)
・高鍋(宮崎) 22 – 19 朝明(三重)
・長崎南山(長崎) 34 – 14 札幌山の手(南北海道)