NECの村田毅(左)と田村優
(撮影:BBM)
NECが34−0とキヤノンに完封勝ち。日本最高峰のラグビートップリーグ第12節で、今季の10位以上を確定させる。シーズン終盤の日本選手権への出場を争うワイルドカードトーナメントへの参加も決めた。2012年12月22日、東京の秩父宮ラグビー場。日本代表組が光った。
LO村田毅が暴れる。ラインアウトでは、相手のHO金子大介の投げる球を奪う。「相手は大学の同期。口でプレッシャーをかけたら崩壊しました」。いたずらっぽく笑った。
CTB田村優は後半32分、守備網の裏への短いキックを2つの局面で続けて放つ。FB山下祐史のトライを演出した。「僕の前が空いてなくて、外のディフェンスがかぶって(前に出て)いる。逆に(最後尾を守るはずの)FBは前に出ているか、後ろにいても深い位置だった」。試合を通して状況を見定めた結果、だめ押しの得点を導いたのである。
前節まで3戦連続で先発落ちの村田は、「ここで立ち止まるわけにはいかない。今日はのびのびプレーできた」。球が手につかぬ悪天候下でも、「スキルを出せばボールは動かせる」と田村。2人は代表選手であり続けた結果、所属先を勝たせたのだ。
(文・向風見也)