東京都府中市のクラブ同士で上位を争う第10節。サントリーが東芝に15−14で辛勝した。
サントリー得意の連続攻撃を防ぐべく、東芝の大男たちは接点に飛び込む。前半16分にはそうして球を奪うや敵陣の深い位置まで侵入。ハーフタイム直前には、安定したスクラムからゴール前で好機を作る。
しかし最後は、サントリーの得点でプレーが終わった。攻め込む側にとって「あと一歩」の場面での密集に、守る側の狩人が鋭く圧力をかけたのだ。そこで東芝は反則をしたり、ボールを譲ったり。いずれの局面でも、直後にサントリーが反抗する。前半に10得点を挙げ、接戦における良きボディーブローを打った。
2012年12月8日、調布市の味の素スタジアムで。「正当な働きかけをした結果」と勝ったFL佐々木隆道が言えば、「向こうの我慢勝ちでもあり、こっちが攻め込んで満足した部分もあるかもしれない」と負けたLO大野均は悔やむ。「ボールを持つ機会が少なく、振り返っても良く勝ったなと」。サントリーの大久保直弥監督はそう言いつつここまで全勝。日本最高峰のトップリーグで、今季一番乗りでの4強以上を決めた。
(文・向風見也)