ラグビーリパブリック

大学日本一6回の名門が2部降格 うなだれた関東学院大

2012.12.08


kl 1


立正大(オレンジ)が関東学院大を破り、6季ぶりに1部リーグへ復帰する
(撮影:井田新輔)


 



 選手たちが作った円陣の真ん中で、栄光の時代を築いてきた関東学院大・春口廣部長が言った。
「終わりました、ということだね」



 12月8日、関東大学リーグ戦1部-2部の入替戦2試合が熊谷ラグビー場で行われ、第2試合で立正大(2部1位)が関東学院大(1部8位)に40−17と完勝。立正大は1部昇格を決め、関東学院大は30年間闘争の場としてきた1部から降格した。



 試合は立ち上がりから勝者のペースで進んだ。風上に立った立正大は、SO正田俊平の効果的なキックで陣地を獲得するとともに、持ち味のランニングスタイルを全開で示す。前半1分にWTBヘンリー・ジェイミーが先制トライを奪うと、4分にはWTBフンガヴァカ・ツトネがPGを決め、7分にも再びジェイミーが走り13−0とリードを広げる。試合後にLO吉田祐太主将が「試合の入りに集中しようと声を掛け合っていた」と振り返ったように、最高の立ち上がり。これで勢いづいた立正大は、前半だけで5トライを奪い、35−0の大差をつけた。
 


 後半に入ると、風上に立った関東学大がエリアをとって反撃。2分にSO高城佑太がトライを返し、29分、34分にも追加点を奪ったが、「点を獲るのに時間がかかりすぎた」と櫻井勝則監督。後半にも1トライを追加した立正大が、結局完勝した。



「学生たちが1年間やってきたことを出し切ってくれた。去年の延長線上でチームを作れたことが大きかった」と立正大・堀越正己監督が喜びを噛みしめる一方で、無念の敗者は唇を噛んだ。
「死にもの狂いでこの2週間準備してきたけれど、シーズンを通して出来なかったタックル、ディフェンスの弱さが今日も出た。一発で止められなかったことが、序盤の失点につながり、流れを失った」
 そう振り返ったのは櫻井監督。PR稲垣啓太主将は、「後悔することがないような戦いをしてこいとグラウンドに送り出されたのに…後悔なくやり切るというのは本当に難しい」とうなだれた。
 春口部長は言った。
「今年の学生にあった指導を見つけられなくて申し訳なかった」



 第1試合では、1部7位の大東文化大が2部2位の山梨学院大に21−14と競り勝って1部残留を決めた。
 逆転勝ちに、「最後は選手たちが底力を出してくれた」と語った大東大・青木忍監督。負けはしたが、「持てるものは出し切った。胸を張って山梨に帰ります」と堂々と語ったYGUのリーダー、HO茂手木亮主将の立派な態度が印象的だった。


 



力走する大東文化大のNO8長谷川崚太。チームは1部残留決定
(撮影:井田新輔)


 

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