ラグビーリパブリック

筑波大が鋭さ活かし初戴冠 帝京大はスクラムで泣く

2012.12.01

 筑波大が創部89年目の初優勝を決めた。2012年12月1日、東京は秩父宮ラグビー場。既に王座についていた帝京大との最終戦を24−10とし、6勝1敗で同率となる。あえて順位を決めない関東大学対抗戦Aならではの結果に、勝者は喜んだ。
 攻守両面で出足が鋭かった。前半33分、敵陣深い位置で直線的なランを続ける。向こうの反則で得たラインアウトからさらに球を動かし、34分、LO鶴谷昌隆がタックラーをかわしトライを奪う。後半は帝京大のミスもあり無失点で抑える。接点際でFL水上彰太、NO8山本浩輝が粘った。相手のパスが飛ぶ先、味方がキックを蹴った先へ、WTB彦坂匡克が何度も飛び込んだ。「神がかってました」。WTB彦坂匡の双子の弟、HO圭克は笑う。
 敗者は「動きが重かった」とCTBで先発の中村亮土。後半11分には、敵陣ゴール前で押し込まんとしたスクラムから球を奪われた。実は今季の帝京大、ずっとこの領域を課題としてきた。もっとも、岩出雅之監督は笑みすら浮かべる。「気持ち良く負けました」。8日開幕の大学選手権セカンドステージに向け、いい反省材料を得たといったところか。


(文・向風見也)