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【明早戦展望 vol.3】 明大イチオシBK 仲間の思い背負う 染山茂範

2012.12.01


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集中する染山茂範。副将としても信頼を集める
(写真:明大スポーツ新聞部)


 



 「チームが勝てばそれでいい」(染山茂範=政経4・佐賀工)。明治の絶対的司令塔は誰よりも勝利に飢える。思い焦がれてきた目標に向け、最後のシーズンに燃えている。
 責任、自覚が染山を変えた。「個人的に負けたって、チームが勝てばいい。4年生になって、そう思うようになった」。そして、大学屈指のSOになった。強力FWが力を発揮できるのは司令塔・染山のゲームメイクがあってこそ。しかし、周囲の評価には目もくれず、目指すのは勝利のみだ。
 勝利に飢える理由にはチームメイトの存在もある。「試合で足が止まりそうになったときに『これだけやってきたのに、止まってたまるか』と思うことがある。練習がキツ過ぎてやめたいと思ったことはあるけど、みんながいるから楽しいし、それで乗り越えられる」。どんなに厳しい練習も仲間とともに乗り越えた。
 「試合中に観客席からの応援もすごく聞こえるし、試合に出ていない人のためにもやらなきゃいけない」。これまでともに歩んできた4年間。仲間のために、その思いも背負ってプレーする。
 今年“こそ”ではない。染山たち4年生には今年“しか”ない。「先のこと(卒業後)は考えられない。大学で日本一になれるチャンスは今しかない。日本一になりたい。今に懸けたい」。自身経験のない明早戦の勝利。そして最終目標の先に大学選手権優勝。毎年、目の前にありながら逃してきた日本一の栄冠を、今年はその手でつかみ取る。


(文・明大スポーツ新聞部 山田拓)


 

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