ラグビーリパブリック

慶大はアップセットを狙うもあと一歩で及ばず 早大が粘り勝ち

2012.11.24


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伝統の早慶戦。早稲田が勝って、通算成績を63勝20敗6分とした


(撮影:BBM)


 



 雨天だった。早大陣営は感じた。本来の球を大きく回す攻めは制限されそうだと。加えてPR上田竜太郎主将、CTB布巻峻介といった中核を負傷で欠いた。ここまで2勝3敗で、田中真一監督曰く「個(の能力差)では劣る」慶大にとって好条件が揃っていた。2012年11月23日、東京は秩父宮ラグビー場。関東大学対抗戦Aにおけるクラシコの一つ、早慶戦は、10-10で前半を終えた。
「前半を1試合だと思って戦う」と野澤武史ヘッドコーチ(HC)が意気込んだ慶大は、3年生SO宮川尚之が軽快に動いた。1年時からベンチ入りも今季は初先発。「久々の試合でこれだけやれるのはポテンシャル(が高いから)」と野澤HCは見た。が、優れた技能が周りと噛み合うにはもっと時が必要か。そして不幸にも、その齟齬(そご)から慶大はアップセットを逃す。7点差を追う後半28分、宮川はタックルされる仲間を助けて素早くパスするも、受け手が反応し切れなかった。地に落ちたボールを向こうのWTB中?隆彰が拾い、40メートル独走。この日の3トライ目を決めた。今季2敗も後藤禎和監督に「焦りはない」早大が結局、31-10で4勝目を挙げたのだった。


(文・向 風見也)


 



早大WTB中?隆彰(左)はこの日3トライの活躍
(撮影:見明亨徳)


 

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