ラグビーリパブリック

帝京大×明治大 エースというよりはリーダー

2012.11.19

 月並みに言えば千両役者か。2012年11月18日、東京は秩父宮ラグビー場。大学選手権3連覇中の帝京大は、関東大学対抗戦Aの全勝対決に挑んだ。対する明大の接点での圧力に巧みなモールとスクラム、ニュージーランド人レフリーのティモシー・ベイカーによる新鮮な見解…。それらを前に、普段は犯さぬ失敗と反則に苦しんでいた。が、6点リードの後半18分、SO中村亮土が2人のタックラーをいっぺんに弾き飛ばしインゴールへ突入。33分には、横へひらひらと駆けながら相手をかわし連続攻撃の仕上げをした。対抗戦の2年連続優勝を決める。
 今春に代表入りしたこともあってか、戦い終えると多くの記者に囲まれた。守備網を突き破れたのは、仲間のお膳立てにより相手が疲れていたから。抑揚なき口調で話した。「常に見られている意識でいます。1分1秒も手を抜けない生活で、いいプレッシャーです」
 心乱さぬことを意識するのは、己をエースだと思うからか。この日は合計3トライの3年生は答えた。
「エースというよりはリーダーとしてという責任感があります。リーダーがぶれたらチームもぶれるから」


(文・向 風見也)


 

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