朝鮮大学校を指揮する今泉清コーチ
(撮影:見明亨徳)
関東大学リーグ戦3部所属の朝鮮大学校。1年での2部復帰を目指してリーグ戦を戦っている。11月11日、東京農業大戦。終盤の連続トライでかろうじて26−10で振り切り5勝1敗、最終戦で2部との入れ替え戦出場の道を残した。
農大戦、前半3分、WTB14金時裕(2年、大阪朝鮮高)が農大ディフェンスを振り切りあっさり先制した。以後は農大フォワードの圧力に屈しモールからトライを奪われた。前半36分、農大のパントを取った朝大、左に展開し主将SO白承大がトライを決め、12−5で折り返した。
後半に入ると農大が3分、この日、積極的な突破を見せていたWTB11植木貴大(1年、東京高)が左隅へ飛び込み、12−10。ここから一進一退の展開に。
終盤の27分、攻め続けた朝大は、農大が自陣から蹴ったボールをチャージし、CTB13金淳志(4年、大阪朝高)がトライをゴール中央へ決める。37分にも農大ゴール前のキックチャージでCTB12呉衡基(4年、大阪朝高)が連続トライし、試合を終えた。
「今日の試合、アタック、ディフェンス両方まだまだ出来ていない」と辛口に語るのは、朝大を今年3月からコーチする今泉清氏(元サントリーフーズヘッドコーチ、元日本代表)。2部復帰を目指す朝大OB会の知人から依頼を受けた。以後、集中的にグラウンドに通い、指導してきた。
目指すのは「1チーム1ハート」。ディフェンス、アタック両面で「一人でプレーせずに仲間をいかに動かしてチームでプレーするか。一人一人が、局面で判断しリーダーとなることを求めている。アジャストメントができるようになれば」と話す。到達度は「7割くらい」。
最終戦(11月25日)は全勝の白鴎大戦。勝てば朝大、白鴎大、国際武道大が6勝1敗で並び、得失点差で入れ替え戦出場枠の2位以内に入る可能性がある。
「白鴎に勝つにはチームが完成しないとだめ。残り2週間が勝負」と今泉コーチは選手に覚悟を求める。
(文・見明亨徳)