セブンズ・ワールドカップ初出場を決めて喜ぶフィリピン代表とともに
歓喜の記念写真に納まる男子セブンズ日本代表
(撮影:BBM)
ワールドカップ・セブンズ 2013 アジア地区予選(HSBC アジアセブンズシリーズ第4戦、シンガポールセブンズ)の2日目。カップ準決勝のフィリピン戦に17−7で勝ち、来年モスクワで開かれる本大会への出場を決めた男子セブンズ日本代表は、カップ決勝で香港と対戦し、14−12で勝利した。アジアの王者として世界の舞台に立つ。
ムンバイ大会(アジアシリーズ第3戦)で香港に7−28と敗れた日本。この決勝でも前半を0−12とリードされたが、積み重ねてきたフィットネスとチーム力が後半に活きた。
前半は一進一退の攻防ながら、ミスで得点できなかったジャパン。また、ミスが失点につながる流れに香港が勢いづいた。しかし、ハーフタイムに瀬川智広ヘッドコーチ(HC)が選手たちに伝えたのは「勝てる」だけ。後半になれば自分たちの方が走れること、勝ちたい気持ちが自分たちの方が強いことを信じての言葉だった。
指揮官の信頼に選手も応えた。4分過ぎ、ロテ・トゥキリ、シオネ・テアウパらのゲインから敵陣深くに迫ると、坂井克行主将がゴール中央にトライ(ゴールも決まり7−12)。そして、残り2分少しのところでPKを得る。相手ゴール前、右サイドで成田秀悦が仕掛け、横山健一が飛び込む。右タッチライン際からの勝ち越しのコンバージョンを坂井主将が見事に決め、リードを奪った。
残り時間、桑水流裕策がシンビンで欠けるピンチも訪れたが全員が必死に動き、守りきって、小雨の中で勝利のホイッスルを聞いた。
決勝のゴールを決めた坂井主将は笑顔で言った。
「最初から入る気がした。ゾーンに入った感じ(笑)」
ミートした瞬間、軌道も見ずに走り出したのは、そんな確信があったからだ。
瀬川HCは選手たちへの感謝の気持ちでいっぱいだった。
「ムンバイで負けた試合がなかったら、前半で崩れたかも。あの試合があったから流れを引き戻せた。みんなよくやってくれた」
敗れはしたが、準優勝の香港も手にしたワールドカップへの出場権。シンガポール大会の3位までに与えられるもう一枚の切符は、ブロンズメダルマッチで韓国を22−19と破ったフィリピンに渡った。初めてのワールドカップ・セブンズ出場の喜びに、選手たちは抱き合って感激を表現した。
プレート・トーナメント(5〜8位)では中国を26−5と圧倒したスリランカが制し、ボウル・ファイナル(9・10位決定戦)では、タイがカザフスタンを26−15で破った。
男子7人制日本代表が手にした金メダルの表(左)と裏
(撮影:BBM)