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W杯切符&アジア制覇へ  男子7人制ジャパン 上昇ムードで4強入り!

2012.11.02


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カップ準決勝進出を決めた男子セブンズ日本代表
(撮影:BBM)


 



 ワールドカップ・セブンズ2013アジア地区予選(HSBCアジアセブンズシリーズ第4戦/シンガポールセブンズ)が11月2日、シンガポールクリケットクラブのグラウンドで始まった。



 インドネシア、スリランカと同じプールDに入ったジャパンはプール戦で2勝し、カップ準々決勝に進出。地元シンガポールにも47−0で勝ち、3日のカップ準決勝でフィリピンと対戦する。その試合で決勝進出を決めれば、3位以内のチームに与えられるワールドカップへの切符を獲得だ。



 3戦とも完勝したジャパンだったが、3試合目になって、やっと手応えをつかんだ感じだった。2試合とも大勝だったプール戦(対インドネシア/57−0、対スリランカ/35−0)。試合前日に「大会の入り、試合の入りを大事にしたい」(坂井克行主将)と立ち上がりに集中していたはずだったが、最初のキックオフボールがダイレクトでタッチに出るなど、スタートでつまずいた。インドネシアとの実力差が大きく、時間の経過とともに差が開いていったが、瀬川智広ヘッドコーチ(HC)は「相手に合わせてしまった感じがある。もっとシャープに」と試合後、選手たちに声をかけた。



 スリランカ戦は、前半途中に攻め込まれる時間帯があった。単純なミスから相手にボールを渡したことで、リズムを崩し、奪い返すまでに余計な体力を使う。反則もとられ、自陣深くまで攻め込まれた。この試合も、徐々に実力差が露わになり、前半2トライ、後半3トライを奪って最終的には完勝したが、課題を残す内容。
 しかし、坂井主将は前向きにとらえた。
「あれだけ攻め込まれてもトライを取られなかったのは、全員がよく戻っていたから。個々の気持ちが入りすぎて空回りした感はありましたが、組織として動く中で、一人ひとりの気持ちを出していかないと」
 瀬川HCも、「スペースにボールを運ばれることはあったけど、(防御の)面が崩されてはいない。そこはよかった」と及第点を与えた。



 そんな不満の残る2試合のうっ憤を晴らしたのが3試合目、カップ準々決勝のシンガポール戦だ。開始直後に訪れた相手の時間帯をしのぎ、ロテ・トゥキリが先制トライを奪うと、目指してきたジャパンスタイルを貫いた。
 桑水流裕策がキックオフでボールを獲得すると、本来のカタチが出る。前の試合まで、攻め急いでは近場に走り込んでいた攻撃から、ボールを大きく動かす意識に転じた。守っても個々のタックルが決まる。試合後は、誰もが「きょう一番の試合」。トライを重ねたトゥキリも「パスが多くて相手がついてこれなかった。これがジャパンスタイル」と笑った。



 翌日の戦いに向け、指揮官が言った。
「この先は、これまでのように簡単にはいかない。でも、今日うまくいった攻撃を、もっと繰り返してトライをとるのがジャパンが目指してきたことですから、やりますよ」
 残り2試合。アジアの頂点だけを見つめる。


 

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