ラグビーリパブリック

FW勝負にこだわった明大が全勝対決を制す

2012.10.22


tsukuba


つかまりながらも必死に前進する筑波大FB内田啓太
(撮影:福島宏治)


 


 


 10月21日、ケーズデンキスタジアム水戸で関東大学対抗戦A、筑波大−明大の試合が行われ、前週に早大を下して好調のはずの筑波大が、27−31で明大に敗れた。



 敵陣でFW戦に持ち込みたい明大は、試合開始直後から積極的に筑波陣へ侵入し、密集からなだれこんでトライ。ゴールも決まって7−0と先制する。しかし追う筑波大、25分にSO松下がPGを決めると、32分、WTB山下のロングキックから攻め込み、HO彦坂圭の縦突破からNO8山本が飛び込んで10−7と逆転に成功。直後の38分にもFL水上がトライを重ね、好機を確実に得点に結びつけた。しかし明大は焦らない。密集を重ねて筑波大のオフサイドを誘い、PGを決めて折り返す。



 後半も序盤は明大が制した。キックで敵陣へ入り、筑波大のノックオンからPR榎のトライで同点とすると、ここからは一進一退のシーソーゲームに。筑波大はSH内田啓介の速い球さばきでテンポアップを試みるが、FW戦に持ち込まれると、塊となった明大FWを後退させることは不可能だった。ボールがちらりとでも見えれば、怒涛の勢いでめくられる。ラックでのターンオーバーが目立った。
 14分、明大はタッチキックからラインアウトモールで崩してトライ。27分、筑波大は速いパス回しから縦に切り込んでトライ。32分に明大がモールでなだれ込み31−27とすると、4点ビハインドとなった筑波大は、何とかもう1トライ獲ろうと慎重にキープ。しかし自陣から抜け出せず、最後はラックをオーバーされて奪われ、竹内主将がタッチに出して明大の勝利が決まった。
 筑波大・古川監督は「明治の強みを出させてしまった。この一言に尽きます」と言葉少な。HO彦坂圭は「自分たちのキックオフがうまくいかなかった。敵陣に行けず、自陣に残ってトライされてしまった」と厳しい表情で振り返った。



 これで関東大学対抗戦Aの全勝チームは帝京大と明大のみ。早大、筑波大がそれぞれ1敗ずつで並んだ。早大を倒して優勝争いへ大きく近づいたかと思われた筑波大の敗戦で、代わりに明大が名乗りを上げた。


(文・川島優子)


 

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