前年度4強同士のトップリーグ第7節、両チームともこだわる接点で、NECが球の位置より前でプレーする、オフサイドの反則を連発した。「前に出る気持ちが視野を狭めた」とFL浅野良太主将。前半27分、厚い援護で球の争奪局面を前に押し込む東芝を前に例の反則を犯す。直後のラインアウトからモールを組まれ、NO8望月雄太のトライを許した。
一方、前半は5点先行も消化不良気味だった東芝は、後半からSOデイビッド・ヒルが登場する。本来の正指令塔たるこの人、長いキックで陣地を取り自軍に好循環をもたらす。勢いづいた後半12分、ランナーが真っ直ぐ走り隣の味方にパスを繋ぐという簡潔なプレーを重ね、FLスティーブン・ベイツがトライ。ゴール成功でスコアは14−31となる。個々が倒れぬことを是とするクラブらしい得点が、勝利を決める。とはいえCTB仙波智裕ゲーム主将は首をひねる。2012年10月20日、東京は秩父宮ラグビー場。戦績を6勝1敗とするも、自力で壁を破るシーンをより多く作りたかったようだ。
一方、NECはキープ力を活かして終盤に反撃も33−48と及ばず。3連敗で2勝5敗となった。
(文・向 風見也)