敵を引き付けて味方を活かすパナソニックCTBソニービル・ウィリアムズ
(撮影:見明亨徳)
ミスや反則で互いにチャンスを譲り合う、東京は秩父宮ラグビー場での一戦。パナソニックの華は、それを熱狂渦巻くショータイムに変えた。前半10分、ニュージーランド代表のCTBソニービル・ウィリアムズがパスを受ける。守備2人を引き付け逆手で球を放つ。やや距離を開け追走していたWTB山田章仁が止めを刺す。先制。以後、2人は躍り続ける。山田に至っては合計3度ゴールラインを越え、トライ王争いを「11」で首位に立った。なおこの日は、相手が接点の近くに集まると見てタッチライン際でプレーするよう心がけていたようだ。
試合後は記者団を前に「目をつぶって祈りながら放る時もある」とウィリアムズが笑えば、山田は「常にテレビのフレームのなかにいたい」。実際、2人はテレビカメラの前で肩を組む。翌日の紙面は決まりか。
2012年10月13日、トップリーグ第6節。35−18のスコアでチームは2連勝を決めた。外国人ランナーの突破やスクラムに活路を見出さんとしたヤマハは2連敗だ。「足りないスキルが少しずつあって、そこからゲームが破綻する」と清宮克幸監督。向こうの大物にやられたと悔やむ。
(文・向 風見也)