オーストラリア・ラグビー協会のジョン・オニールCEO(最高経営責任者)が、今月の31日をもって、そのポストから退くことが明らかになった。12日、同協会が発表した。もともとは、2013年末に、オーストラリア遠征を行うブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの戦いを成功させてから引退する予定だったが、さらなる発展のため、1年早く新しい人物にバトンを渡す決断をした。
61歳のオニール氏にはIRB(国際ラグビーボード)での仕事も残っている一方で、カジノ会社のチェアマンでもあり、今後はビジネスの世界にも力を注いでいく。
18年間、最高責任者として携わったスポーツの世界で、オーストラリアを代表する偉大なアドミニストレーターだったオニール氏は、1995年から2003年に豪州ラグビー協会のCEOを務め、地元開催の2003年ラグビーワールドカップを成功させたあと、退任。その後3年間、同国サッカー協会でチェアマンとして働き、Aリーグ発足や、32年ぶりのサッカーワールドカップ出場(2006年)など大仕事を遂げた。2007年にラグビー協会に戻ってきてからは、ワラビーズはもちろん、財務体質も強化。メルボルン・レベルズのスーパーラグビー参入を実現し、アルゼンチン代表を参加させて南半球国別対抗戦を発展させることに貢献するなど、スポーツ界で強い影響力を持つ人物であった。
さらにオニールCEOは、優秀な指導者であるニュージーランド人のロビー・ディーンズ氏を豪州代表に迎え、初の外国人指揮官を誕生させた。現在、成績不振で解任の危機にあるディーンズHC(ヘッドコーチ)だが、彼の強い支持者だったオニール氏はまもなく去る。