欧州ナンバーワンクラブを決める戦い、「ハイネケンカップ」が今週末にいよいよ開幕するが、ヨーロッパの外で同大会公式戦を開催したいというサラセンズ(イングランド)の野望は、今季も実現は難しそうだ。
イギリスの新聞『ザ・デイリー・テレグラフ』によると、南アフリカに太いパイプを持つサラセンズが、同じプール1に入ったエディンバラ(スコットランド)に、来年1月の試合を南アのケープタウンで行うことを提案。往復の交通費も約一週間の宿泊代も、ホスト側となるサラセンズがすべて負担すると申し出たが、エディンバラに断られたという。
サラセンズは昨季、ビアリッツ(フランス)の理解を得て、2012年1月にハイネケンカップを初めてケープタウンで開催することが決まっていたが、試合会場をめぐり、地元団体が対立したため破談となった過去がある。長き歴史を持つ「ニューランズ・スタジアム」での開催を主張したWP(ウェスタン・プロヴィンス)ラグビー協会と、2010年サッカーワールドカップ用に市内の中心地に建設した「ケープタウン・スタジアム」を使用するよう求めたケープタウン市当局の関係が悪化したため、サラセンズが手を引いたのだ。
2年連続の失敗。それでも、このイングリッシュクラブのマーケット拡大への野心は消えていない。
移動負担などもネックとなり、南ア開催を見送ることになったが、今季ハイネケンカップのプール戦第2ラウンドはラシン・メトロ(フランス)の協力もあり、ベルギーの首都ブリュッセル(ボードゥアン国王競技場)で開催する。