(エルトン・ヤンチース)
南アフリカ代表デビューを果たしたばかりのSOエルトン・ヤンチース(22歳)が、来季スーパーラグビーはストーマーズでプレーすることが明らかになった。ライオンズの人気選手だが、同チームはスーパーラグビーから降格したため、ローン移籍という形で合意に達したと、現地の新聞『ケープ・タイムズ』が2日に報じた。ライオンズは2013年末までヤンチースを保有できることになっているが、南半球最高峰舞台のスーパーラグビーから脱落した場合は、他チームでのプレーを許可する条項が契約書には含まれていたという。
ヤンチースは2010年末の欧州遠征で南ア代表入り。テストマッチではなかなか出番は回ってこなかったものの、先週土曜日のオーストラリア代表戦で後半から途中出場し、初キャップを獲得した。現在も南ア代表に集中しており、移籍に関する公式発表は来週、南半球4カ国対抗戦・ラグビーチャンピオンシップが終了してから行われる予定。
2010年の南ア最優秀新人賞を受賞したジョハネスバーグの“プリンス”をめぐっては、シャークスも獲得に動いていたが、同チームのSO候補には昨年のワールドカップを経験している21歳のパット・ランビーがおり、出場機会を考えて、ストーマーズ行きを決断したと思われる。2年連続でスーパーラグビーの南ア・カンファレンスを制しながら、いずれもプレーオフ準決勝で敗退しているストーマーズには、ピーター・グラント(神戸製鋼)という経験豊富な選手がいるが、日本シーズンがあるため大会序盤は参加できず、生え抜きの若手も伸び悩んでいるため、ヤンチースが司令塔の座を奪う可能性は高い。
悲願の初優勝を狙うストーマーズは補強に積極的で、特に、スーパーラグビーでのプレーチャンスを失ったライオンズの有望株たちを狙っている。すでに、元U20南ア代表のLOルアン・ボタとは来季からの2年契約を交わしており、ほかにも、スプリングボックスのCTB/FBヤコ・タウタ、PRパット・シリアース、HOバンディセ・マクなどがターゲットとなりそうだ。