ラグビーリパブリック

楕円球界に響くアフリカンビート 人気サファリセブンズに2万5千人

2012.09.25


kenya 7


成長を続ける7人制ケニア代表。2013年W杯セブンズ、2016年五輪のメダル候補だ
(撮影:Andy Jones / 写真提供:HKRFU)


 



 1996年にスタートして以来、アフリカを代表する7人制ラグビー大会に成長した「サファリ・セブンズ(サファリコム・セブンズ)」が、ホスト国であるケニアの首都ナイロビで、9月22日から23日まで開催された。ケニアの新聞『デイリー・ネーション』(電子版)によれば、最終日は2万5000人を超す大観衆がナショナル・スタジアムに詰めかけたという。
 今年は、IRB(国際ラグビーボード)が主催するセブンズ・ワールドシリーズでコアチーム(世界トップ15)昇格を果たしたポルトガル代表とスペイン代表が参加。ラグビー大国南アフリカからは、7人制南ア代表候補である若手エリート選手によって結成されたSAセブンズEPDと、ウェスタン・プロヴィンスが大会を盛り上げた。そのほかにも、世界中の優れたセブンズプレーヤーを集めたサムライ・インターナショナルRFCに、2016年オリンピック出場を目指すザンビア代表、ルワンダ代表、ウガンダ選抜、そして欧州クラブからはグルノーブル(フランス)とブリストル(イングランド)など、計16チームが集い、技を競った。
 優勝したのはSAセブンズEPD。準決勝、スワヒリ語で英雄・勇者の意味を持つシュジャー(7人制ケニアA代表)を24−7で降すと、決勝ではケニア代表(ケニア・モランズ)を残り1分で逆転し、21−17で接戦をものにした。タイトルを獲得できなかったケニア勢だが、今季から7人制ナショナルチームのヘッドコーチに就任したマイク・フライデー氏(元7人制イングランド代表HC)のもとレベルアップしていると評判で、10月13日に開幕する今季ワールドシリーズでの戦いにも期待が集まる。また、同じくワールドシリーズ第1戦のゴールドコースト大会(オーストラリア)へ向け弾みをつけたい欧州勢だったが、ポルトガル代表はスペイン代表との準々決勝に0−5で敗れ、4強に残ったスペインはケニア代表に0−17と苦汁をなめさせられた。



 第17回サファリ・セブンズが成功のうちに幕を閉じ、7月にマダガスカルで行われた2015年ワールドカップ(15人制)地区予選では4万人の大観衆を集めたことからもわかるように、アフリカのラグビーは急成長を続けている。世界的強豪の南アフリカ、ワールドカップでの経験を持つナミビア、そして7人制の強豪国であるケニアに続けと、アフリカ全体での競技人口は2007年時と比べて33%も増加した(2011年4月のIRB発表より)。2016年には7人制ラグビーがオリンピック競技となるため、普及と育成はこれからも力強く進むに違いない。
 そして今週末には、「ラグビーワールドカップ・セブンズ 2013」のアフリカ予選(男女)がモロッコで開催される。男子は、2009年の前回大会で4強入りしたケニアと、同ベスト8の南アフリカが予選免除となっており、アフリカ代表2枠をめぐる争いは、昨季ワールドシリーズで4ラウンドを経験したジンバブエを中心に熱戦が予想される。
 女子は、アフリカに与えられた出場切符は1枚。男子同様、前回大会で結果を残した南アフリカが自動的に2013年大会への出場を決めているため、こちらは混戦となりそうだ。


 



【YouTube 動画】 2012 サファリ・セブンズ 決勝戦 ハイライト
http://www.youtube.com/watch?v=wmUZ0_QjMTI



【YouTube 動画】 2012 サファリ・セブンズ 会場のファン
http://www.youtube.com/watch?v=w8lHcYj4Hvw


 


 

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