(デメトリ・カトラキリス)
来年、スーパーラグビーに初挑戦するサザン・キングス(南アフリカ)が、非凡な能力を持つ若きスタンドオフの獲得に成功した。チームは19日、ストーマーズの母体であるウェスタン・プロヴィンス(WP)に在籍する、デメトリ・カトラキリスと2年契約を結んだと発表。補強を進めるキングスは、チーターズのCTBアンドリス・ストラウス、シャークスからはLOスティーヴン・サイクスをすでに獲得しているが、学生ラグビー界でヒーローだった23歳のカトラキリスは、南アフリカ代表入りも期待されている有望株だけに、大きな戦力となることは間違いない。
8月にもWPからキングスへの移籍報道が流れたが、WP側はゴールデンボーイを逃すまいと残留交渉を続けていた。
ギリシャ人の血が流れているため、「ギリシャの神」という愛称を持つカトラキリスの、最大の武器はキック力。17歳時にサッカーのハウテン州代表に選ばれるほどだった右足は、楕円球の世界でさらに磨きがかかり、ケープタウン大学の司令塔として出場した2011年の南ア学生選手権では、60メートルのドロップゴールを成功させるなどして優勝、大会最優秀選手に選ばれた。同年の南ア最高峰大会カリーカップでは得点ランキング3位で、キック成功率は安定して80%を超すといわれている。
しかしながら、ストーマーズにはピーター・グラント(神戸製鋼)という経験豊かな元南ア代表がおり、ヘリー・ファンアスヴェーゲン、バートン・フランシスとの2番手SO争いにも敗れ、2012年のスーパーラグビーでは出番が回ってこなかった。
新天地での爆発が期待されるカトラキリスに続いて、キングスはさらに、現在ヨーロッパでプレーしている複数の南ア選手や、アルゼンチンの有能選手にも接触しているという。数週間のうちに、3〜5名の追加新戦力が発表される見込みだ。