サントリー 有賀剛
(撮影:BBM)
日本最高峰のトップリーグで前年度王者のサントリーは、今季も第3節終了時点で全勝。首位を守っている。3試合に先発し2トライを挙げたFB有賀剛副将は、春先からいい準備ができたと語る。
8月31日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたNECとの開幕節では、11−10とわずか1点リードで迎えた後半4分にゴールラインを割った。9月14日の秩父宮でも、リコーとの第3節の前半5分に先制。いずれも狭いスペースで相手のタックルを受けながら前進し奪ったもので、フィジカル面での充実が伺える。本人は「膝が安定して、できることも増えた」と捉える。
数年来、負傷続きだった。特に右膝を手術して迎えた一昨季は「膝に水がたまって、毎試合、それを抜きながら出ていたこともあった。その時はいかに水をたまらなくさせるかに必死で、トレーニングというよりリハビリのような感じだった」。それをかばうあまりか、昨季は左膝の負傷にも悩まされた。その点、今年度は春先から、チーム内でのトレーニングに体調十分で臨んでいた。
「鍛えて、どう限界を超えられるかを考えてできた。去年までは復帰するためにどうするかというマイナスからのスタートだったのが、今年はゼロからスタートできた。レベルが違います」
秩父宮でのキヤノンとの第4節を22日に控えるチームでは今季、4年目のLO真壁伸弥が新主将となった。5シーズン連続で副将を務める有賀は、「今年はバイスキャプテンとしての役割が大きい。まずはサントリーで真壁をサポートして、チームの方向性を一体化させることに集中しています」と話す。春先にリストアップされながら「負傷」のため辞退した日本代表への復帰については、「(招集要請があれば)その時になって決めたい。もちろん、状態がよければ行きたいとは思っています」と続けた。9月下旬、日本代表が11月に行う欧州遠征メンバーの候補リストが発表される。
(文・向 風見也)