NTTドコモとの肉弾戦。東芝は気迫に満ちた80分間で10トライ
(撮影:松本かおり)
これまで2連勝も不完全燃焼の感があった前年度4強の東芝は、2012年9月15日のトップリーグ第3節ではスタイルを貫く。ボール保持者がまっすぐぶち当たる。それを援護する人も、やはり真っ向からスマッシュする。一同、相次ぎ額を切ったが、処置を終え芝に戻れば本来の姿となる。東京は秩父宮ラグビー場で、NTTドコモを64−12と圧倒した。
縦に前進する本来の型を基盤に、今季はグラウンドの横幅を使う攻めにも挑戦したかった。が、開幕から汗で球が滑りパスは繋がらず、この夜に向けた練習では「ブレイクダウン(球の争奪戦)にフォーカスした」と和田賢一監督。ひとまず原点回帰を狙った結果、失点場面を課題としつつ手応えは掴めた。マン・オブ・ザ・マッチはFLスティーブン・ベイツ。12−0と僅差リードの前半33分、敵陣ゴール前に飛んだ楕円球を追い、カバーに入る相手を持ち前の気迫と体躯で押しのけた。こぼれ球を拾ったCTBオト ナタニエラをその足でフォローし、FB立川剛士のトライを導いた。英語と日本語を織り交ぜ、「シンプルプレーが俺のプライド」。22日、同じ地で昨季準優勝のパナソニックと戦う。
(文・向 風見也)