ラグビーリパブリック

リコー×サントリー 立体的な視点が勝負決める

2012.09.15


FD


フーリー・デュプレア
(撮影:BBM)


 



 誰もが前がかりになっていた後半17分。攻める前年度王者、サントリーのSHフーリー・デュプレアは、敵陣ゴール前右の接点脇からふわり、と球を蹴る。守るリコーがやや驚くなか、ボールの落下地点へと駆け込むデュプレアの仲間がさらに攻め続ける。LO真壁伸弥主将がトライ、SO小野晃征がゴールを決めた。この日の初失点を許した6分後、22−5とスコアを広げたのだった。この折、向こう側が反則するもなお優位なアドバンテージの状態。そのため意表をつくキックがしやすかったのだ。そう分析する大久保直弥監督も、最後は南アフリカ代表62キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)の舵取り役をこう褒める。「グラウンドを立体的に見ている」。2012年9月14日、東京は秩父宮ラグビー場でのトップリーグ第3節を37−19で制す。指揮官によれば「8月からチームを作り始めた」と発展途上ながら、ここまで開幕3連勝中だ。
 一方、昨季7位のリコー。SHデュプレアにやられた直後のキックオフでWTB長谷川元氣、FL川上力也らが鋭い出足を見せ敵の反則を誘う。このように何人かは勝負の肝を掴んでいる。が、今季は3戦白星なし。


(文・向 風見也)


 

Exit mobile version