トヨタ自動車がNECとの接戦を27−26と逆転し、今季初勝利
(撮影:BBM)
前半35分、敵陣の中盤あたりである。NECのSH櫻井朋広は相手ボールスクラムの脇から飛び出しタックル。反則を誘い、仲間のペナルティゴールに繋げる。17−10と点差を広げた。攻めても軽快なパス捌きを見せた。が、23−17と先行し迎えた後半20分、怪我でないのに退く。替わりの選手が「試合を終わらせる経験があった」からとグレッグ・クーパーヘッドコーチ。その後トヨタは差を詰め、35分、逆転。不規則に跳ねるボールを拾ったFBスティーブン・イェーツがトライし、直後のゴールキックが決勝点となった。
物語は続く。39分、トヨタは自陣ゴール前スクラムで反則を犯す。遡って25分、HO上野隆太主将が退いていた。廣瀬佳司監督は「チーム内でいい競争がある。今後を戦う上では(様々な選手を)どんどん起用してチーム力を高めていく」。リーダーをベンチに下げるリスクには、やや目を瞑っていたのだ。41分、NECの逆転がかかった最後のペナルティゴールは、決まらなかった。
2012年9月8日、東京は秩父宮ラグビー場でのトップリーグ第2節。NECとトヨタは、楕円球の弾む行方と同じく未知数な試合展開を演じた。
(文・向 風見也)