ラグビーリパブリック

NEC村田毅 大型化し「下馬評を覆す」

2012.08.27

 日本最高峰であるラグビートップリーグ(TL)で昨季4強のNECは8月31日、東京・秩父宮ラグビー場で今季の開幕戦に挑む。前年度王者のサントリーを相手に「観客はサントリーが勝つと思っている。下馬評を覆したい」と語るのはFL村田毅だ。代表落選を機に、運動量を維持したままでのサイズアップにも挑戦。手応えを掴んでいる。
 24日、NEC我孫子グラウンドで行われた三菱重工相模原との練習試合では前半のみプレー。敵陣ゴール前でパスを受けたハーフタイム直前、相手タックラーの前に飛び出す動きを見切って身体を1回転させ、そのままトライラインを越えた。47−0での勝利に貢献し、「(得点場面では)相手のディフェンスが詰め気味に来ていた(前進していた)ので、ロール(身体を回転させながら守備網を突破するランニングスキル)が効くと思った。普段からボールをもらう前のランコースとかを考えるようにしていて、(その蓄積が)無意識のうちに表れたのでよかった」と話した。
 慶大を経て社会人1年目の昨季、新人ながらチームの公式戦全17試合にLO、FLとして登場(うち14試合に先発)。今春、初めて選ばれた日本代表ではテストマッチ(国同士の真剣勝負)出場は叶わず、一時は遠征メンバーからも外された。エディー・ジョーンズヘッドコーチから「日本は世界でトップ10を目指している。トップ10のチームにお前みたいな(サイズの)プレイヤーはいるか?」と言われ、持久力や身体のキレを向上させながらの体重アップに挑戦した。
「ウエイト(トレーニング)を筋量で上げていく。きついこと(常に走り続ける日本代表での練習)をやりながら体重を増やしていれば、フィットネス(持久力)は落ちない。やるしかない、と。3月の体重から5、6キロ上がった。今は101くらい。すごくフィットしている(身長は185センチ)」
 元オーストラリア代表のジョージ・スミスに日本代表の佐々木隆道と、開幕戦で対峙するサントリーのFLはビッグネーム揃いだ。そんななか村田は、「勝利を引き寄せるプレーをしたい。ボールをもらったら2、3人を巻き込んで(引き付けて)ゲインしていきたい。(そのためには)ヒットした瞬間の次の1歩を考えながら、コンタクトする。あとはディフェンス。何回も、何回も起き上ってタックルして、流れを呼び込みたい」と抱負を語る。サントリーとの初戦は19時30分、キックオフ。


(文・向 風見也)


 

Exit mobile version