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ほろ苦い南半球国別対抗戦デビュー アルゼンチンは南アに完敗

2012.08.19

 2007年ワールドカップで銅メダルを獲得し、その後も安定した成績で強豪国の仲間入りを果たしたアルゼンチン代表(世界ランキング8位)が、今年から参加することになった南半球4カ国対抗戦「ラグビーチャンピオンシップ」で、歴史的一歩を踏み出した。8月18日にケープタウンで、ワールドカップを2度制したことがある南アフリカ代表と対戦。しかし、序盤こそ競ったものの、一度もゴールラインを越えられず、6−27の完敗だった。


 


 度重なった怪我から復活し、3年ぶりにアルゼンチン代表(ロス・プーマス)のジャージーを着たSOフアン・マルティン・エルナンデスが、ペナルティーゴール(PG)でレコードブックに名を刻んだ。
 しかし、南米の男たちはハンドリングエラーが多く、攻撃のリズムを作れなかった。そして前半16分、FBルーカス・ゴンサレス・アモロシーノのノッコンでピンチを招くと、22メートル内で南アフリカ代表(スプリングボックス)に速攻を仕掛けられ、FBザイン・カーシュナーにトライを許す。27分には、南アがモールで前進し、FLマルセル・クッツィエが右隅に飛び込み追加点。6−20で折り返した。



 食い下がりたいアルゼンチンは、司令塔エルナンデスがハイパントで打開を試み、FWが接点でターンオーバーを連発すれば、スピードあるBKも果敢に走ったが、世界の頂点を知るスプリングボックスの壁を崩すことはできなかった。ならばとポストを狙うも、CTBマルセロ・ボッシュが1本、SOエルナンデスが2本のPGを外し、点差を縮めることはできなかった。
 逆に南アは56分、敵陣22メートル内でSOモルネ・ステインが右へ絶妙なキックパスを放ち、WTBブライアン・ハバナが空中戦で競り勝ってインゴールでグラウンディング。スプリングボックス史上最強のフィニッシャーであるハバナにとっては、記録更新となる41本目のトライだった。
 南米からの挑戦者たちには、グリーンの10番を着たモルネ・ステインのキック力も刺激となったに違いない。スーパーラグビーでの不調により、黄金の右足に陰りが見えてきたとささやかれたモルネ・ステインだが、この日のゴールキック成功率は100%(5本成功)で、エルナンデスに経験の差を見せつけた。


 

 大きな見せ場を作れず、ほろ苦いデビューとなったアルゼンチン代表。来週は母国へ戻り、25日にメンドーサで南アフリカ代表と再戦する。そして9月には、ワールドカップ王者のニュージーランド代表と、世界ランキング2位のオーストラリア代表にも挑む。


 

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