ラグビーリパブリック

パナソニックNO8コリニアシ 昨秋W杯の大怪我から復活へ 

2012.08.18

 日本最高峰のトップリーグ(TL)で昨季2位だったパナソニックは17日、群馬・太田のパナソニックグラウンドで同リーグのトヨタ自動車と40分×3本の練習試合を行った。落雷のため3本目の20分で中止となるも、24−14とリードして終えた。NO8では、昨秋のラグビーワールドカップニュージーランド大会(W杯)で右膝靱帯を損傷したホラニ龍コリニアシが先発。1本目の40分間に出場し、中嶋則文監督を「戻ってきたのは大きい」と唸らせた。
 日本代表のNO8だったコリニアシは11年9月10日、ノースハーバーであったフランス代表とのW杯予選プールA初戦で負傷退場(●21−47)。そのまま登録抹消され、23日に現地でメスを入れた。オークランドで大会の決勝戦(ニュージーランド対フランス・8−7)があった10月23日に帰国。「絶対、ガラガラの飛行機で帰ろうと思って。予想通り!」。結局、シーズンを棒に振った。
 「リハビリを頑張ろう、と。あとはチームのサポート、アドバイスとか、自分ができることをするだけだと思っていました」
 チーム練習には、昨季終盤から徐々に加わっていた。7月23日〜8月6日の北海道合宿期間中のプレシーズンマッチで実戦に戻り、突破役として、黒子役として高く評価された。中嶋監督には「(相手との)至近距離でドン、と行ける。コンタクトしてからも前に、前に進める。それだけでなく、下働きもやってくれる」と言われた。
 トヨタ戦後、「まだまだ。7〜8割ですね。アタックでもディフェンスでももっと走りたい。いくら(練習で)走っても、ゲームスタミナ、試合勘はまだまだ」とコリニアシ。自身が不在だった昨年度のチームを「特にFWで(全体を)まとめる人がいなかった」としつつ、「その分、若い人たちが成長してくれた」と前を向く。
 「だから今年は(昨季にあったリーダー不在という)不安はない。僕が(離脱したことも)無駄じゃなかった」
 底上げがなされたチームにあって、「(TLとシーズン終盤にある日本選手権の)2冠を取りに行きます」と宣言する。
 「(目指すプレーは)見てもらえればわかります。今は7〜8割だけどあまり無理せず、日本選手権とかまでには100%で行けるようにしたい。(日本代表には)シーズンで結果を出して呼ばれるなら、行きたい」


(文・向 風見也)


 

Exit mobile version