2011年ワールドカップを制したニュージーランド代表・オールブラックスが次に狙うのは、南半球4カ国対抗「ラグビーチャンピオンシップ」の初代王座と、宿敵オーストラリアとの間で80年前から争っている「ブレディスローカップ」の栄冠だ。
今週土曜日の開戦まであと2日と迫った8月16日、スティーヴ・ハンセンNZ代表ヘッドコーチはオーストラリア代表戦の試合登録メンバー22名を発表した。
CTBの故障者続出により指揮官から参戦を熱望され、ジャパンラグビートップリーグ開幕前の限定的出場となるパナソニック新戦力のソニー=ビル・ウィリアムズは、マア・ノヌーとの大型CTBコンビ復活でパワフルアタッキングの核となる。ソニー=ビルとともにチーフスの中心選手としてスーパーラグビー初優勝を遂げたFLリーアム・メッサムも先発ポジションをつかみ、リッチー・マコウ主将や、ろっ骨の怪我から復活したNO8キアラン・リードとともにバックローを形成することになった。
司令塔ダン・カーターの相棒を務めるのは、今年6月に代表デビューしたばかりのSHアーロン・スミス。2011年ワールドカップの主役的存在だったSHピリ・ウィップーはベンチで60キャップ目の出番を待つ。左足首の捻挫から復活したコーリー・ジェーンは右WTBに入り、ワールドカップ決勝以来のテストマッチとなる。
力が拮抗するオーストラリア代表(ワラビーズ)との勝負ではセットプレーが鍵となるが、オールブラックスPRとしてテストマッチ最多出場のトニー・ウッドコクと、歴代最多キャップHOであるケヴィン・メアラムが第一列にいるのは頼もしい。その一方で、ブラッド・ソーンという偉大なLOが日本(福岡サニックス)へ去り、75キャップを持つベテランのアリ・ウィリアムズが膝の故障で離脱したためセカンドローは若返り、23歳のサム・ホワイトロックと黒衣を着てまだ1試合しか経験していないルーク・ロマノが先発を任された。
今回発表された22名に、PRチャーリー・ファウムイナとルースFWアダム・トムソンを加えた24名は、16日午後に敵地シドニーへ向け出発する予定。
昨年のワールドカップ準決勝ではオールブラックスが勝どきをあげたが、トライネーションズを制して2011年の南半球王者となったのはワラビーズ。ライバル心でヒートアップする両者のシドニー決戦は、2010年が23−22、2009年は19−18とどちらも1点差の大接戦となっており(いずれもオールブラックス勝利)、今年も激闘が予想される。
<2012.8.18 ニュージーランド代表 試合登録メンバー>
1.トニー・ウッドコク(ブルーズ/86キャップ)
2.ケヴィン・メアラム(ブルーズ/93キャップ)
3.オーウェン・フランクス(クルセーダーズ/34キャップ)
4.ルーク・ロマノ(クルセーダーズ/1キャップ)
5.サム・ホワイトロック(クルセーダーズ/28キャップ)
6.リーアム・メッサム(チーフス/10キャップ)
7.リッチー・マコウ(主将/クルセーダーズ/106キャップ)
8.キアラン・リード(クルセーダーズ/38キャップ)
9.アーロン・スミス(ハイランダーズ/3キャップ)
10.ダン・カーター(副将/クルセーダーズ/87キャップ)
11.ホズィア・ギア(ハイランダーズ/9キャップ)
12.ソニー=ビル・ウィリアムズ(チーフス → パナソニック/17キャップ)
13.マア・ノヌー(ブルーズ/66キャップ)
14.コーリー・ジェーン(ハリケーンズ/32キャップ)
15.イズラエル・ダグ(クルセーダーズ/15キャップ)
16.アンドリュー・ホア(ハイランダーズ/65キャップ)
17.ベン・フランクス(クルセーダーズ/18キャップ)
18.ブロディー・レタリック(チーフス/3キャップ)
19.ヴィクター・ヴィト(ハリケーンズ/14キャップ)
20.ピリ・ウィップー(ブルーズ/59キャップ)
21.アーロン・クルーデン(チーフス/11キャップ)
22.ベン・スミス(ハイランダーズ/5キャップ)