南半球国別対抗戦に初挑戦するアルゼンチン代表を、地元ケープタウンで待つ世界ランキング3位の南アフリカ代表。両チームは過去13度対決しているが、南米のどう猛なプーマといえども、アフリカの堂々としたスプリングボックを仕留めたことは一度もない。それに、ワールドカップを二度も制したことがある南ア代表がホームで大金星を許すことは考えにくいが、しかしFWとBKのキーマンを怪我で欠いており、もしかしたら苦戦を強いられるかもしれない。
ハイネケ・メイヤー南ア代表ヘッドコーチは15日、今週土曜日のアルゼンチン戦に臨む試合登録メンバーを発表した。
痛手だったのは、NO8ピエール・スピースの離脱。先月行われたスーパーラグビーのプレーオフ(クルセーダーズ戦)で左手薬指を痛めたスピースは当初、異常は確認されなかったものの、精密検査の結果、骨折が判明し、手術を受けることが決まった。回復まで2〜3カ月かかることから、今年の南半球4カ国対抗戦「ラグビーチャンピオンシップ」はすべて欠場する。
そのため指揮官は、今季スーパーラグビーで決勝進出を果たしたシャークス主将のキーガン・ダニエルをエイトマンに指名し、両サイドにはチームメイトのFLヴィレム・アルベルツとFLマルセル・クッツィエを配置した。コンビネーションを活かすのはバックローだけではなく、フロントローも同じくシャークストリオで組み、第2列はストーマーズペア、ハーフバックスはブルズの2人が息の合ったプレーを見せてくれるに違いない。
世界最高峰LOコンビといわれたヴィクター・マットフィールドとバッキース・ボタの時代は終わり、208センチの最長身アンドリース・ベッカーがラインアウトのリーダーとなるが、南アの新たなツインタワー候補としてチャンスを与えられた20歳のエベン・エツベスにも注目が集まる。
バックスにも有能な人材は揃うものの、スーパーラグビー決勝で左手親指を骨折したJP・ピーターセンの穴埋めには苦労するかもしれない。左WTBで代役を務めるのはルワジ・ンヴォヴォ。ワールドカップを2大会経験しているピーターセンに比べ、ンヴォヴォはわずか4キャップと経験は浅いが、100メートルを10秒32で走る俊足は魅力であり、今季スーパーラグビーでシャークストップの8トライを奪った勢いをテストマッチでも見せたいところだ。
ほかには、Xファクターとしての存在感があるフランソワ・ステインもアルゼンチンにとっては要注意人物となるだろう。SO、CTB、FBでプレーでき、キッカーとしての能力も高い25歳は、12番を着てテストマッチ50試合目に臨む。
PRパット・シリアースとスリークォーターバックで期待されるJJ・エンゲルブレヒトはベンチ入りし、デビューの瞬間を待つ。
また、21キャップを持つHOチリボーイ・ラレペレが14日のトレーニング中に膝を痛め一時離脱したため、アドリアーン・ストラウスがHO2番手をキープし、ストーマーズのティアン・リーベンバーグがスコッドに追加招集された。
<2012.8.18 南アフリカ代表 試合登録メンバー>
1.テンダイ・ムタワリラ(シャークス/35キャップ)
2.ビスマルク・デュプレッシー(副将/シャークス/45キャップ)
3.ヤニー・デュプレッシー(シャークス/33キャップ)
4.エベン・エツベス(ストーマーズ/3キャップ)
5.アンドリース・ベッカー(ストーマーズ/24キャップ)
6.マルセル・クッツィエ(シャークス/3キャップ)
7.ヴィレム・アルベルツ(シャークス/11キャップ)
8.キーガン・ダニエル(シャークス/3キャップ)
9.フランソワ・ホーハート(ブルズ/18キャップ)
10.モルネ・ステイン(ブルズ/37キャップ)
11.ルワジ・ンヴォヴォ(シャークス/4キャップ)
12.フランソワ・ステイン(シャークス/49キャップ)
13.ジャン・デヴィリアス(主将/ストーマーズ/75キャップ)
14.ブライアン・ハバナ(ストーマーズ/77キャップ)
15.ザイン・カーシュナー(ブルズ/15キャップ)
16.アドリアーン・ストラウス(チーターズ/12キャップ)
17.パット・シリアース(ライオンズ/初代表)
18.フリップ・ファンデルメルヴァ(ブルズ/14キャップ)
19.ジャック・ポトヒエッター(ブルズ/1キャップ)
20.ルアン・ピナール(アルスター=アイルランド/54キャップ)
21.パット・ランビー(シャークス/13キャップ)
22.JJ・エンゲルブレヒト(ブルズ/0キャップ)