1889年に始まり、地区代表・州代表選手権としては世界最古の歴史を持つ南アフリカの「カリーカップ」。2012年大会のプレミア・ディビジョン(1部リーグ)が、現地時間8月10日に開幕する。かつては国内の14地区代表による総当りリーグ戦が行われていたが、資金力や選手層の違いで格差が広がり、ミスマッチが増えたため、近年はレベル別の2部リーグに分かれて実施するようになった。今年は、プレミア・ディビジョンは強豪6チームのみ、下部のファースト・ディビジョンは残り8チームによって行われる。
プレミアは、ゴールデン・ライオンズ(ライオンズ)、ナタール・シャークス(シャークス)、フリーステート・チーターズ(チーターズ)、ウェスタン・プロヴィンス(ストーマーズ)、ブルー・ブルズ(ブルズ)といった、スーパーラグビーでおなじみの5チームに、昨年6位のグリクアスが加わってしのぎを削る。2013年のスーパーラグビー参戦が濃厚なサザン・キングスの母体であるEP(イースタン・プロヴィンス)キングスは、ファースト・ディビジョンでの戦いをすでに始めており、2部で優勝して、来年のプレミア昇格を狙う。
昨季プレミア・ディビジョンではライオンズが12年ぶりの優勝を遂げたが、選手との間に確執が生まれたジョン・ミッチェルHC(ヘッドコーチ)の解任は確実で、司令塔エルトン・ヤンチースを育てた元オールブラックスのカーロス・スペンサーBKコーチも突然解雇するなど迷走しており、連覇は難しいかもしれない。
最多32回の優勝を誇るウェスタン・プロヴィンス(WP)は11年ぶりの王座奪還を目指す。過去10年間で5度も栄冠を獲得しているブルー・ブルズは、昨年は4強入りを逃しており雪辱に燃える。ナタール・シャークスには、ユース(U19代表)に松島幸太朗がおり注目されるが、勇敢な元高校ジャパンが南ア最高峰のカリーカップに登場するのは早くても来年以降か。若手育成に定評があるフリーステート・チーターズは、2008年の南ア最優秀新人で7人制のスターだったCTBロバート・エバーソン(23歳)を新主将に任命。スター選手が少ないグリクアスは苦戦が予想されるものの、過去3度のチャンピオン経験があり、昨季までNTTコミュニケーションズに在籍していたJP・ネルの奮闘が期待される。
レギュラーシーズンは10月13日まで。同月27日にプレーオフ決勝戦が行われ、今年の南ア王者が決まる。