7月16〜20日の日本代表スコッド強化合宿(長野・菅平)に17日から参加したFB田邉淳は23日、在籍するパナソニックの北海道合宿に臨む。
2010年11月6日、ロシア戦で初キャップを獲得。翌11年のワールドカップニュージーランド大会メンバーからは落選も、37歳でのイングランド大会出場に意欲を見せている。東京・西が丘のナショナルトレーニングセンターで2日間かけて行われる日本ラグビー協会のトップレフリー講習会の1日目(12年7月15日)にエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ(HC)が参加すると知り、同じく聴講予定だった所属先の中嶋則文監督に「(代表入りに向け)僕が改善すべき点を聞いて来てください」とリクエスト。間もなくジョーンズHC本人から電話をもらい、「年齢は変えられないけど、チームにベテランは必要。その1人になって欲しい。(課題としては)スピードトレーニングを頑張って欲しい」と聞いた。
16日に追加招集要請を受け、17日から加わった菅平では、今季までスーパーラグビー・レッズの戦術コーチだったフィリップ・ファウラー氏からキックの指導を受けた。09年度にトップリーグ得点王となるなど、かねてからプレースキックが長所だった田邉は感銘を受ける。
「外国のコーチは蹴り方を教えてくれる人が多かった。でもファウラーさんはメンタルの話をしていた。『世界で戦う時はトップリーグとは比べものにならないくらいプレッシャーがある。毎日、それをイメージして練習して欲しい』と言っていました」
解散後、合宿全体をこう振り返った。
「(トレーニングは)毎朝6時半からあって、3、4部練習が毎日続いていた。でも、1つひとつ(のセッション)が短くて集中できた」
34歳で迎える今季トップリーグには、コーチ兼任という立場で挑む。
「いま、(パナソニックは)スタッフが若いこともあって、(指導者の)人数を増やして(担当セクションをより細かく)分担していこうということになった。そこで自分に是非コーチ兼任という立場でやってくれないかと言われました。もちろん選手としても頑張って欲しい、とも。もともとやりたいと思っていたことでした。自分が受けてきた色んな指導者のいいところを取り入れていきたいです」
日本代表は11月、欧州遠征を行う予定。そこに「参加したい」と話す田邉は、「それまでの(トップリーグでの)試合でいいパフォーマンスを出す。ジャパンのスタッフは結果しか見ないと思うから」。23日から北見で、28日から網走でと続けて合宿を張る(〜8月6日)。9月1日、リコーと開幕節を戦う(東京・秩父宮)。
(文・向 風見也)