日本行きがまもなく発表されるかもしれない大物のひとり。まだ契約合意していないとのことで移籍先は明らかになっていないが、NTTコミュニケーションズでプレーしていた元チームメイトのJPネルから日本ラグビーの実情を聞き、2009年頃からジャパンへの興味を口にしていた。大好物は寿司。フーリー・デュプレアやダニー・ロッソウなどかつての仲間も日本に多くおり、心細い旅ではない。
しかし、その前にやらなければならない大仕事がある。2年ぶりのスーパーラグビー王座奪還だ。レギュラーシーズン2試合を残して、まだプレーオフ進出を決めていない。先を走るストーマーズがこければ南アフリカ・カンファレンス1位を手にできる位置にはいるが、優勝を争う6強から脱落する可能性もある。
7月6日シャークス戦。オリフィエの対面には、3年ぶりにフランスから帰国した同じ南アフリカ代表のフランソワ・ステインが立つ予定。どちらがインサイドCTBとして上か、久々の直接対決。敵もプレーオフ進出へ負けられない一戦だけに、ヒートアップするのは間違いない。
フランソワ・ステインほどのフィジカル的脅威はないし、スピードだってストーマーズのCTBジュアン・デヨーン(ストーマーズ)には敵わない。オリフィエは昨年のトライネーションズでふがいないパフォーマンスを見せ、ワールドカップNZ大会のメンバーから落とされた。「タックルへの勇気が足りない」「キックも下手」「テストマッチでは通用しない」と酷評された。しかし、視野が広く洞察力があり、瞬発力も活かしたラインブレイクには定評がある。創造性豊かでパススキルに自信を持ち、堅実性が増したディフェンスを評価する声も出てきた。そして今年6月、約1年ぶりに南ア代表復帰。イングランド戦3試合で、ハイネケ・メイヤー新ヘッドコーチの信頼を勝ち取った。
ユース時代からブルズ一筋で生きてきた。2003年にプロ選手としての一歩を踏み出し、2005年にスーパー12デビュー。ロフタス・ヴァースフェルドを埋める5万人のサポーターは熱狂的で、昔から「夢は、ブルズで100試合出場」と語っていた。そして、今年6月30日にホームで行われたチーターズ戦で、スーパーラグビー100キャップを達成。夢が叶った。
国内王者を決めるカリーカップに、南半球最高峰のスーパーラグビー、そして2007年にはワールドカップでも金メダルを獲得し、新たな挑戦を求めている。しかし、ジャパンへ行く前に、もう一度スーパーラグビー優勝を。副将としても責任があり、若い選手にブルズ魂を伝承してからだ。
ポジション: CTB
生年月日: 1983年6月11日(29歳)
出身地: フリーステート州(南アフリカ)
身長: 186? 体重: 95kg
所属: ブルズ(ブルー・ブルズ)
【国代表】
デビュー: 2006年6月10日(対スコットランド)
CAP: 37
得点: 5 (TRY: 1)
※ 記事内のデータは、2012年7月5日現在