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クーパーは13人制に転向せず レッズと新たに3年契約

2012.06.09


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2011年スーパーラグビー優勝後、仲間たちと栄冠を手にし喜ぶクーパー(左から2人目)
(撮影:Yasu Takahashi,  Nichigo Press)


 



 オーストラリア代表のSOクウェイド・クーパーが9日、地元のスポーツ専門チャンネル『Fox Sports』のインタビューに答え、所属するレッズとの新たな3年契約にサインしたことを明らかにした。世界トップクラスのファンタジスタをめぐっては、国内ライバルチームのウェスタン・フォースや海外クラブに加え、ラグビーリーグ(13人制)のパラマタ・イールズやシドニー・ルースターズなども獲得に動いていたため、去就が注目されていた。
 オーストラリア・ラグビー協会とは昨年5月に、2012年末までの契約を結んでいる。



 しかし一部で、クーパーの評価額は暴落したとの声がある。
 生まれ故郷のニュージーランドで昨年行われたワールドカップでは、閃きのプレー

は不発に終わり、決勝進出を逃したことで戦犯のひとりと非難された。そしてウエールズとの3位決定戦で右膝に重傷を負い、手術とリハビリで約7カ月間戦線離脱。同大会が始まる前は、ラグビーリーグ側は最高峰レベルの年俸85万豪ドル(当時約7400万円)をオファーしたとされるが、ワールドカップでの残念なパフォーマンスにより、彼の価値は半減、または3分の1に下がったと厳しい見方をする者もいた。

 


 今回のレッズとの契約については詳細は明らかにされていないが、優勝を狙えるチームで己の評価を上げていくのも一つの方法である。2011年スーパーラグビー王者のレッズでは、今年4月下旬、中心選手のSHウィル・ゲニアがフォースと契約寸前までいきながら、翻意してレッズ残留を決めており、相方の存在もクーパーの心をつなぎとめたと思われる。
 約7カ月間の時を経て、今年5月19日のライオンズ戦(スーパーラグビー)で試合復帰を果たし、新生ワラビーズ(オーストラリア代表)にも名を連ねた。ロビー・ディーンズ代表ヘッドコーチからは「完全復活にはまだ時間が必要」と判断され、今週末のウエールズ代表戦出場は見送られたが、状態は少しずつ上向いているのは間違いない。


 


 6月7日深夜、契約延長の祝杯をあげに親友のカートリー・ビールと出かけた先で、警備員ともめ、乱闘騒動を起こして警察沙汰になった。事実関係を調査中のオーストラリア・ラグビー協会からは近々、処分が下されると思われる。トラブルが多い天才型フットボーラーだ。
 しかし、海外への道を選ばず、しかも15人制でのプレー継続を決断したことで、現在24歳のクーパーは3年後のワールドカップ優勝に向けて、再チャレンジの迷いはなくなったはずである。


 


 


 


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