ラグビーリパブリック

Leone Nakarawa レオネ・ナカラワ  (フィジー/アーミー・グリーン)

2012.06.05

 2011年ラグビーワールドカップ開幕前に、最も注目を集めた人物。開催国ニュージーランドの政府が陸軍に所属していたナカラワの入国を断固として認めなかったからだ。


 2006年にフィジーで軍事政権が誕生して以来、民主化への対応や人権問題をめぐり同国政府に対して批判的な立場をとっていたニュージーランドは、たとえスポーツの祭典といえどもフィジーのすべての軍関係者やその家族に対して入国ビザを発行せず、不満爆発寸前だったフィジー側は国内オリンピック委員会会長がワールドカップのボイコットを示唆する発言をして、緊張状態が続いていた。


 


 結局、ワールドカップ開幕3週間前にナカラワが軍を除隊したため問題は解決。本大会では全4試合に先発フル出場し、初戦のナミビア戦では逆転トライを挙げてチームに勢いをもたらした。残念ながら、チームは1勝3敗で2大会連続の8強入りとはならなかったものの、注目を集めた当時23歳の若者は精一杯のプレーをやり切った。


 


 2メートル近くの大男だが、セブンズでも活躍した機動力と運動量を持つ。フライング・フィジアンズの名演だ、柔らかいハンドリングで巧みにボールを操り、踊るように走り去る。


 


 ワールドカップ期間中にサラセンズと契約を結んだとの報道があり、ヨーロッパでプロラグビー選手としての道を歩むと思われたが、あっさり軍に戻って陸軍将校となった。彼はニュージーランド政府を欺いたのかどうか、真相は不明。ちなみに、今年2月の「HSBC セブンズ・ワールドシリーズ NZ大会」にナカラワの姿はなかった。
 
 約8カ月ぶりの国際舞台登場。プレーヤーとして、彼がどう変貌しているかも楽しみである。


 


 


ポジション: LO
生年月日: 1988年4月2日(24歳)
出身地: タブア(フィジー)
身長: 198?  体重:117kg
所属: アーミー・グリーン(スヴァ)
 


 


【国代表】
デビュー: 2009年6月13日(対トンガ)
CAP: 12
得点: 10 (TRY: 2)


 



※ 記事内のデータは、2012年6月4日現在


 



(PHOTO: Jonacani Lalakobau)

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