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関東大学交流試合 地力証明した帝京 潜在力楽しみな流経

2012.06.03


teikyo ryukei


春の交流試合で腕比べをした大学チャンピオン帝京大と関東リーグ戦王者の流経大
(撮影:BBM)


 


 


 今年から始まった春の関東大学交流試合で6月3日、帝京大と流経大が激突。大学選手権3連覇を果たした学生王者と昨季の関東リーグ戦覇者の対戦とあって多くの観客が見守る中、帝京大が後半にジワリと地力を発揮し、29−15で勝利を収めた。
 開始7分にターンオーバーからのカウンターで先制トライを許しなど、序盤はなかなかプレーがかみ合わなかった帝京大。以降も流経大のひたむきな防御を崩しきれず、前半は12−10と苦しんだ。しかし後半に入ると、持ち味である堅固な組織ディフェンスからリズムを生み出し、主導権を掌握。13分、スクラム起点のBK展開からWTB磯田が左中間に飛び込んだのを皮切りに、18分、30分といずれも大きく球を動かしてトライを重ね、流経大を突き放した。
 FB竹田、NO8李ら複数の主軸をケガで欠き、今季からファーストジャージーに袖を通すメンバーも多かった帝京大だが、王者らしい迫力は随所に感じさせた。流経大のしぶといタックルを受けコンタクト局面で圧倒するまではいかなかったものの、重厚なブレイクダウンはやはり脅威。相手のキックに対し積極的にカウンターを仕掛けるなど、戦い方の幅を広げようという意識も高い。「序盤にうまくいかない時間が続いたが、逆に課題を見つけるチャンスだととらえていた」と岩出監督が語るように春を意識した試合ながら、きちんと試合中に対処し、勝ち切るあたりは地力の証明といえるだろう。
 一方敗れた流経大も、大敗を喫した2週間前の東海大戦からよく立て直し、潜在力があることを示した。「試合ごとに課題を見つけ、それを克服して一歩一歩進むしかない。夏を越えたらよくなると思います」と内山監督。FL辻、NO8高森、FB矢次ら帝京大相手にも互角以上に戦える中心選手を擁するだけに、今季も楽しみな存在となりそうだ。


(文・直江光信)


 

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