PNC東京合宿初日は緊張気味だったヘンドリック・ツイ(右)。ジャパン・ウェイ習得へ
(撮影:BBM)
6月5日(火)に開幕するパシフィック・ネーションズカップに向け、ジャパンが再始動した。5月30日の昼に都内のホテルに集合したメンバーたちは、秩父宮ラグビー場で16時過ぎから早速練習。初戦のフィジー戦(名古屋・瑞穂)をにらみ、2時間弱ほど汗を流した。
アジア五カ国対抗終了後、それぞれの所属チームに戻っていた選手たちと数日ぶりに顔を合わせたエディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、「多少のハンドリングエラーはあったものの、最初のセッションとしてはよかった」と語った。「新しい選手たちも加わり、より良いチームになれると思う」とも口にし、PR長野正和、LO菊谷崇、NO8ヘンドリック・ツイ、CTBニコラス ライアンらがチームにとけ込む様子を穏やかに見つめた。
また新加入の4人を含む何人かの選手たちに、もっと深くチームの方針を知ってもらいたいと話し、「きょうの夜は数名の選手たちをピックアップし、日和佐、小野らHB団がチームの目指していること、やっているオプションを教え込む時間も設けるつもり」。血の通ったチームになるためには、ピッチの外の時間ももっと充実させていく必要があると語った。
この日から新たに加わった4選手のうち、PR長野同様にまったく初めてのジャパン招集となったNO8ツイは、やや緊張気味の表情で練習に参加した。
「練習が始まるまではちょっとナーバスになっていたんだけど、始まったらそんな気持ちはどこかにいったよ」と笑うツイは、「今回招集されたことには本当に驚いた」と言った。帝京大を卒業して迎えた昨季、パナソニックでのルーキーイヤーを持ち前のアタック力で充実させた。その前へ出る力を評価されて選ばれたことについて本人は、「NO8はいちばん好きなポジション」とした上で、初日の練習の感想を「ジャパンのトレーニングは時間的にはパナソニックより短いけど、ハイペースで次々に進んでいく感じ」とした。
パナソニックでの練習に取り組んでいたこの春。テレビで見ていたジャパンのパフォーマンスは、「若いメンバーがスピードあるラグビーにチャレンジしている」と自身の目に映った。だから自分も、そのスタイルについていけるだけのフィットネスを手に入れ、「スピードワークに対応する」と新しい分野への挑戦に意欲を見せる。大学時代からのライバルであるマイケル・リーチと背番号8を争うことになるが、好敵手との関係については、「マイケルはサインプレーを教えてくれたり、よくヘルプしてくれる。だから争うというより、互いに刺激し合う関係になれれば」。
「チームは、彼(リーチ)がどういうプレーをやるのか想定できていると思うけど、自分には、それがまだない。だから僕は、自分がジャパンに対して何ができるのかをまずはアピールしたいですね」
パナソニックで過ごした1シーズンで、いろんな局面でのディフェンス力が高まったと自覚する若者は、「いまここにいられるだけで嬉しいけど、チームに貢献できるよう集中したい」と結果を残すことを誓った。