日本ラグビー協会は23日、6月5日からのパシフィック・ネーションズカップに向け日本代表メンバーを発表した。
5月のアジア5カ国対抗は30名で臨んだが、今回は32名が選出された。会見に出席したエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は、「人数で動きがあるたびに記者会見では質問が出て、それに答えてはいますが…。スコッドには、いつも若い選手が入っています。彼らはポテンシャルがあるがテストラグビー(国同士の真剣勝負)をするうえでは経験が浅い。そうした選手を加えようとすると、必然的にスコッドの人数が増えていく。究極の目的は、ワールドカップ(2015年イングランド大会)でトップ10に入ること。それまでに、すべてのポジションで3人ずつくらいテストマッチレベルの選手を育てたい。そこにはまだ、我々は達していない。数多くの選手を育てていかなきゃいけない」と話す。「チーム環境に合った選手をセレクトしている。きちんと溶け込み、お互いを敬い、規律を守れて、代表への誠意と戦う勇気を持っている選手のことです。今回の選手がチームを強くしてくれると思います」とも語った。
「孤立する選手ではなく、ひとつの目標に向かって一緒に動いていける選手を選びます。いま私たちがやっているのは、全てがワールドカップのためのこと」
記者団から「サプライズ」とされたのは、ジャパンの前主将であるLO菊谷崇(トヨタ自動車)の代表復帰。現体制では初選出となった。2011年ワールドカップニュージーランド大会での同選手のプレーについて、ジョーンズHCは「過去のことは、今選んだこととは関係ないのでコメントできない。いつも私が話すのは未来のこと」とした。
外国出身選手はNO8ヘンドリック・ツイ(パナソニック)が新たに加わり2名となった。「コンディションチェック」を理由に再三、代表合宿に呼ばれていたLOマイケル・ブロードハースト(リコー)は、「居住3年」という代表入りへの基準をクリアした6月下旬の加入が濃厚か。「フレンチバーバリアンズ戦(6月20、24日・秩父宮)では顔が見られるのでは」と指揮官は示唆した。
(文・向 風見也)