今季プレミアシップで最下位となったニューカッスル・ファルコンズだが、下部リーグ降格は免れることがほぼ確実となった。例年通りならば、2部リーグ(RFUチャンピオンシップ)の優勝チームと自動入れ替えとなるのだが、今季2部リーグの決勝に進んだロンドン・ウェルシュとコーニッシュ・パイレーツは、どちらもイングランド最高峰のプレミアシップラグビーを開催できるグラウンドを持っていないため、昇格が認められないからだ。
収容人数に関しては、最低でも1万人以上が求められているものの、ロンドン・ウェルシュのホームグラウンド『オールド・ディア・パーク』のそれは6,000人にも届かず、十分な照明設備も整っていない。それでもプレミアシップ昇格を望むロンドン・ウェルシュは、イングランドラグビー協会(RFU)が定めた基準をクリアするために、国内プロサッカーリーグ4部に属するオックスフォード・ユナイテッドと協定を結び、『カッサム・スタジアム』(12,500人収容)をホームグラウンドとして申請したが、独立した監査役によって調査を行ったRFUは、「最低限の基準を満たしていない」と判断。収容人数の観点からいえば、『カッサム・スタジアム』は条件をクリアしているが、スタジアム所有権の優位性はロンドン・ウェルシュにはないことなどから、不合格となった。
ホームの収容可能人数が4,000人にも届かないコーニッシュ・パイレーツは、最初から昇格のための基準テストを受けおらず、RFUは23日、「今シーズンはRFUチャンピオンシップからは昇格がない」ことを発表した。
しかし、ホーム&アウェイ方式で行われるプレーオフ決勝の第1戦を37−21で制し、2部リーグ優勝に大きく前進したロンドン・ウェルシュ側は納得していない。決勝第1戦の開始わずか6時間前に突然、残念な報せを聞かされ、現在のプレミアシップチームであるロンドン・アイリッシュやセール・シャークス、ロンドン・ワスプス、サラセンズはサッカークラブとグラウンドを共有しているにもかかわらず、なぜ今回はクリアにならなかったのか、十分な説明は受けていないと怒りをにじませている。
ロンドン・ウェルシュはRFUの決定に対し、14日以内に不服申し立てができる権利がある。5月30日に行われる最終戦(2部リーグ・プレーオフ決勝第2戦)の結果次第では、裁判に発展する可能性は十分ある。