ラグビーリパブリック

日本×香港 勝負を優先させ優勝 次は

2012.05.19

 日本のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は勝負にこだわる。格下相手とされるアジア五カ国対抗でも、試験的な若手起用は最小限に止めた。2012年5月19日、東京は秩父宮ラグビー場。香港を67−0と制した大会最終戦でも、自分たちの攻撃的スタイルの徹底を優先させつつ、敵の弱みを容赦なく突く意識を浸透させた。LO大野均によれば、「向こうの10番(SO)がターゲットになっていた」。向こう側の守備の穴を事前に見定め、そこへNO8マイケル・リーチを何度も突っ込ませたのだ。杭になったリーチは前半16分、接点の脇を豊かなスピードで突破し、FL望月雄太にボールを繋ぐ。相手の反則を誘い、FW陣が直後のラインアウトから右、右とモール、ラックを作る。最後は左に回り込んだSO小野晃征がトライを決めた。
 4戦全勝でアジアを制し、6月からサモア、トンガ、フィジーとのパシフィック・ネーションズカップに挑む日本だが、この先「厳しい戦いになる」とリーチ。今のままでは、パワーが長所のライバルに肉弾戦で苦しむとの見立てだ。もっとも、ジョーンズHCは「優勝を狙う」と言った。そのためにどんな策を練るか。


(文・向 風見也)


 

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