2007年ワールドカップ(W杯)の優勝メンバーである南アフリカ代表のSOブッチ・ジェームズが16日、テストラグビーからの引退を発表した。2011年W杯にも出場し、2001年の代表デビュー以来42キャップ(うち37キャップはSO=南ア代表SOとして最多)を重ねてきた33歳は、ハイネケ・メイヤー新ヘッドコーチ体制下でも司令塔候補のひとりとして期待されていたが、所属チームのライオンズではエース番号を21歳のエルトン・ヤンチースに奪われており、パトリック・ランビー(シャークス)、ヨハン・フーセン(チーターズ)といった若手も成長していることから、後進に道をゆずる決断をした。
幼少期は騒々しいわんぱく坊やだったため、祖母から“ブッチ”とニックネームをつけられたアンドリュー・デイヴィッド・ジェームズは、ラグビーを始めてからは一発で相手を仕留めるハードタックラーに成長し、まさにブッチャー(殺し屋)だと、驚嘆の声を集める人気選手となった。
シャークス(南ア)、バース(イングランド)、ライオンズ(南ア)と渡り歩き、重責を果たしてきたブッチは、代表戦からは退くものの、あと1、2年は現役続行に意欲を持っていることも明らかにし、若手に経験を伝えながら、いまはスーパーラグビーでの仕事に全力を尽くす。