(2015年W杯アジア予選の開幕式でシンガポール代表主将と握手をかわす徳増浩司IRB理事)
2012年のアジア5カ国対抗(ディビジョン1)が15日、フィリピンの首都マニラで開幕し、同時に、2015年ワールドカップのアジア予選がキックオフした。今後3年かけてアジア発イングランド(2015W杯開催地)行きの1枚の切符を争うこととなり、中華台北を36−8で破ったスリランカと、37−20でシンガポールから勝利を収めたフィリピンが幸先のいいスタートを切った。
日本代表などが属するトップ5への復帰を狙うスリランカ代表は、FWのサイズを活かして5トライを獲得。後半にフロントローの3人がシンビン(一時退場処分)を受けるというマイナス材料があったものの、相手の反撃をわずか1トライに抑え、大勝した。スリランカ代表を率いるのは、1999年W杯に出場した元イングランド代表HOのフィル・グリーニングHC(ヘッドコーチ)で、「最後のテストマッチから6カ月も空いていたので厳しい開幕戦になると思っていただけに、勝利には満足している。ただ、何枚もイエローカードをもらったということは、冷静さを欠き、自分たちをコントロールできなかったという証拠。課題は多い。それでも、かなり若いチームなので、今後が非常に楽しみだ」と初戦を振り返った。
第2試合で登場したホスト国のフィリピンは、主将のFBマイケル・レッツ(前豊田自動織機)やCTBガレス・ホルゲート(九州電力)など、日本ラグビー経験者を含んでおり、優勝候補の一角。前半早々、NTTコミュニケーションズに入団したばかりのCTBマット・サンダーズが先制トライを奪うと、同じくシャイニングアークスの一員となった兄のSOオリバー・サンダーズは、1トライ2ゴール1ペナルティゴールで12点を獲得した。さらに元ボクサーの快足WTBジョセフ・マシューズが2度ゴールラインを越えるなど、高い攻撃力を見せ、計6トライを奪って点取りゲームを制している。
2015年W杯予選は、北米カリブのメキシコとジャマイカの間で記念すべきオープニングゲームがすでに行われており(2012年3月24日/メキシコシティ)、予選免除のアルゼンチンを除くアメリカ大陸代表2枠をかけた熱闘が繰り広げられている。アフリカ予選(代表1枠)は今年7月4日にスタート。ヨーロッパ予選(代表2枠)とオセアニア予選(代表1枠)は2013年にキックオフを迎える。2011年大会で成績上位だった12カ国はすでに出場が決まっており、敗者復活を含めた残り8枚の切符を、世界80カ国が争う。
(情報・写真提供:アジアラグビー協会)
スリランカ大統領の息子であるナマル・ラジャパクサも楕円球を手に力走
攻撃力を武器にトップ5昇格を狙うフィリピン代表