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アルスター13年ぶり クレルモンは初のハイネケンカップ準決勝進出

2012.04.09

              clermount

 

 

 2011−2012シーズンのハイネケンカップ準々決勝、残り2試合が8日に行われ、「ヨーロッパ最強クラブ」の称号を争う4強が出揃った。前日に準決勝進出を決めたエディンバラ(スコットランド)、レンスター(アイルランド)に続き、優勝への階段を進んだのは、アルスター(アイルランド)とクレルモン・オーヴェルニュ(フランス)。アルスターが同国のライバルであるマンスターを22−16で破り、13年ぶりのベスト4入りを決めれば、クレルモンはイングランド勢最後の砦であったサラセンズを22−3で降し、初めて4強決戦に残った。

 

 敵地ソーモンド・パークに乗り込んだアルスターは、南アフリカ代表SHルアン・ピナールが序盤に2本のペナルティゴール(PG)を決め、主導権を握った。15分には自陣右でのラックから左へ展開し、21歳の快足WTBクレイグ・ギルロイが鋭いステップで4人を抜き去り、スーパートライ。31分にはSOイアン・ハンフリーズがドロップゴール(DG)を成功させ、19−0と大きくリードを広げた。
 一方、4季ぶり3度目の優勝を目指したマンスターは33分、FW・BK一体となった連続攻撃をWTBサイモン・ジーボが左隅にフィニッシュし、反撃開始。アイルランド代表SOローナン・オガーラがゴールを重ねて、後半48分までに19−13と6点差に詰め寄った。
 その後、1本ずつPGを取りあい、ラスト20分間の戦いへ。熱狂的な地元サポーターの声援はマンスターを後押ししたが、1トライ1ゴールでゲームがひっくり返る緊迫した状況のなか、アルスターは出足鋭く、粘り強いディフェンスで相手にプレッシャーを与え続け、逆転を許さなかった。1989−99シーズンにチャンピオンに輝いて以来、優勝争いから遠ざかっていたアルスターだが、今季加入の元オールブラクスPRジョン・アフォアや、元南アフリカ代表の万能BKステファン・テルブランシュといった経験豊かなベテラン勢が機能しており、古豪復活を印象付けた。

 準決勝進出最後の1枠をかけ、昨季プレミアシップ(イングランド最高峰リーグ)王者のサラセンズと対戦したクレルモンは、試合開始早々にSOダヴィッド・スクレラが負傷するというアクシデントがあったものの、代役を務めたブロック・ジェームズがブーツで活躍。前半6分、10分、12分にPGを決め、主導権を握った。
 前半は9−3と静かな40分だったが、クレルモンは後半開始3分後、スコットランド代表LOネイサン・ハインズのオフロードパスから、フランス代表CTBオレリアン・ルージュリーが突破でチャンスを広げ、人数を余らせた状態でウエールズ代表FBリー・バーンがトライ。勢いのままに、SOジェームズが48分にDG、54分にPGを成功させ、22−3とリードを広げた。
 プール戦6試合で計26トライと圧倒的攻撃力を示したクレルモンは、この試合では1トライに終わったものの、今大会中の被トライ数は1試合平均0.83本(プール6試合で5トライ)とディフェンスもトップレコードを持つチームであり、結局、一度もサラセンズにゴールラインを越させなかった。攻守ともにスキのない戦いを見せ、堂々の4強入りである。

 

 ハイネケンカップ準決勝は、4月28日に「アルスター対エディンバラ」、翌日に「クレルモン対レンスター」という組み合わせとなった。

 

 

 

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