NECは今季、トップリーグと日本選手権ともに4強でシーズンを終えた。11日、大阪・近鉄花園ラグビー場であった選手権準決勝でパナソニックに3−41で敗れた後、ニリ・ラトゥ主将は「負けてシーズンを終えたことは残念。ですが皆のプレーには満足。若手も入ってきて、すばらしい将来が待っていると思います」と語った。
トップリーグではレギュラーシーズンを8勝5敗の4位とし、現行制度では初のプレーオフ進出を果たした。近年は得点力不足が課題とされたが、今季は新加入のWTBネマニ・ナドロがシーズン最多タイ記録の19トライをマーク。またSO/CTB田村優ら大学卒の新人も台頭した。就任3年目の岡村要ヘッドコーチは「新人がスピードを与えてくれた」と、チームの活性化を喜んだ。
もっとも、2月19日のプレーオフ準決勝でサントリーに8−56と大敗した(東京・秩父宮ラグビー場)。王者になるには、さらなる上積みが必要とされる。選手権敗退決定後の公式会見で「ここを強くすればもっと良くなると、(今季ほど)明確に見えたシーズンはない。来季はスピードにこだわってやっていきたい。またラインアウトを修正すれば強みのモールが活きてくる。あとはフェーズのなかでのプレーを改善していく。今季はわざとシンプルにして成功したのですが、プレッシャーの強いチームに対してはそこが厳しかった(上手くいかなかった)」と指揮官が事細かに話すなか、ラトゥ主将は「毎試合、110%のパフォーマンスを出すことを目指したい」と端的に述べた。
(文・向 風見也)