ラグビーリパブリック

キヤノン×NEC 7トライのWTBナドロは脅威か

2012.03.05

 日本最高峰のリーグで19回、ゴールラインを飛び越えたトライ王が、長所を活かした。2012年3月4日、埼玉の熊谷ラグビー場で日本選手権2回戦があり、今季トップリーグ3位のNECが来季から同じ舞台で戦うキヤノンを62−19で降した。そこで身長195センチ、体重129キロのWTBネマニ・ナドロが7トライをマーク。大会の1試合最多記録を更新した。
 まず前半15分。22メートルライン付近で味方のパスが乱れ、攻撃が寸断されそうなところだ。何とか捕球し、体勢を立て直し、相手を真正面から蹴散らし、最後まで駆け抜けた。さらに後半24分、やはり22メートルライン付近で空高く浮いた球を掌で掴み、そのまま止めを刺すまで力走した。強くて巧い、予定調和を壊すランナーであることをコアなファン、メディアに再確認させた。
 もっとも、この先は険しい道が続く。11日、大阪の近鉄花園ラグビー場における準決勝で、リーグ2位のパナソニックと戦うのだ。2回戦の偵察に来た同部の関係者は言う。
「次は、ナドロが走るスペースはそんなにない。心配はしていないです」
 ここ数週間で長所の防御力をより高めた相手に、ナドロはどう抗うか。


(文・向 風見也)


 

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