トップリーグ上位4強によるプレーオフ。リーグ戦1位のサントリーとの準決勝に向け、4位だったNECのスタッフは、策を練った。今季、爆発的な突破力を長所に19トライを挙げたWTBネマニ・ナドロを、何と控えに置いたのだ。岡村要ヘッドコーチは、「サントリー相手に80分間ゲームを掴むのは難しい。前半はディフェンスで勝っていく」。
蓋を開けてみれば、序盤にその「ディフェンス」が破られた。LO浅野良太によれば「コミュニケーションの問題」からだ。2012年2月19日、東京は秩父宮ラグビー場。3−37で迎えたハーフタイム、ナドロの投入の代わりに精神的支柱のFLニリ・ラトゥ主将が退いた。同時に3名までという外国人枠が影響した。
結局56−8で勝ったサントリー側からは試合後、相手の主将退場についていかようにも聞ける話が出た。
「今、思えば、それがNECにとってプラスだったのかはわからないですけど、試合中は気にならなかった」
とにかく、勝者は「目指すラグビーができてきた」とPR畠山健介。自慢の多彩な攻撃に手応えを感じていた。26日、秩父宮であるパナソニックとの決勝戦も同様に戦いたい。
(文・向 風見也)