ソニー=ビル・ウィリアムズ
オールブラックスのBKソニー=ビル・ウィリアムズ(SBW)が、ラグビーワールドカップの栄冠に続いてボクシングリングでもチャンピオンベルトを獲得した。プロボクサーとしての顔も持つSBWはハミルトンで8日、空白状態となっていたニュージーランド・プロフェッショナル・ボクシング協会(NZPBA)のヘビー級王座をかけて、11勝(6KO)2分8敗の戦績を持つ34歳のクラレンス・ティルマンと対戦し、1ラウンドTKO(テクニカルノックアウト)で相手をリングに沈めた。序盤はお互いにジャブで探っていたが、顔面への左フックで優位に立ったSBWが連打を放ち、第1ラウンドが終わる1秒前、ティルマンがよろめきながらロープにもたれたところでレフリーが試合を止めた。
これまでは43歳のゴスペル歌手など無名のボクサーばかりと拳を合わせ、2009年のプロデビュー以来4戦負け知らずのSBWだったが、今回は初めて本格的ボクサーが対戦相手ということで、現役オールブラックスがボクシングリングでノックアウトされるのではないかと心配されていた。しかし、SBWより21キロも重いアメリカ出身のファイターは、ラグビー界の英雄の顔に傷をつけることもできず、あっけなく惨敗。
試合後には、覚せい剤(メタンフェタミン)所持などの容疑で逮捕されていた当初予定の対戦相手、リチャード・トゥカキがリング内に乱入して新チャンピオンを挑発するという“劇場”もあったが、リングサイドで見守ったSBWのチーフス仲間であるリーアム・メッサムらによって場外に送り出され、大事には至らなかった。
元オールブラックスのタナ・ウマンガやフランク・バンス、それに新天地チーフスのコーチ陣やチームメイトの前で、勝利の拳を高々と突き上げたSBWだが、しばらくはボクシンググローブをしまい、来週月曜日にはラグビーのトレーニングに戻る予定。そして2月24日開幕のスーパーラグビーに向け、本格的準備を進める。