トップリーグでサントリーが1位でプレーオフ行きを決めた。2012年2月5日、東京は秩父宮ラグビー場。34分、WTB長友泰憲の逆転トライで32−28と勝った。が、4強入りを狙う神戸製鋼を相手に先制しながら、3回、リードされていた。エディー・ジョーンズ監督は「フェーズプレー、パスが悪かった」。自慢の攻撃ラグビーの根幹をなす接点からの球出しには、不満足だった。
神戸製鋼の圧力もあった。ゲーム主将のLO伊藤鐘史が相手ボールラインアウトを再三、奪った。互いに相手の陣形を読み合いながらの勝負を制し、「頭でのやり合いもあるのがラグビーの面白さ」。身体の「やり合い」でも、孤立したサントリーのランナーに大型FWをぶつけ、ターンオーバーし続けた。「こっちがビッグタックルをしたりして、アドバンテージラインより前に出た時に狙う」と伊藤。が、「レベルが高いほどベーシックなスキルの差で決まる」とも語った。要所での失策が響き、結局、目標は果たせなかった。
勝ったジョーンズ監督は言う。
「ラグビーは本に似ている、重要なのは最初と最後。サントリーは最初と最後は勝っていました」
(文・向 風見也)