数年来トップリーグで上位争いをする東芝。3位で臨む今季終盤、第12節のテーマは「一貫性」だと和田賢一監督は言った。「1対1。ぶれずにやりきる」。2012年1月29日、東京は秩父宮ラグビー場でリコーを39−14で制した。
まず、仙波智裕が守備網を破った。前半12分、FB松田努の先制トライを生んだのだ。以降、東芝のボール保持者は身体をぶつけ、前に出続けた。自陣深い位置まで攻められていた後半14分には、相手のニュージーランド代表CTBマア・ノヌーにLO望月雄太がタックル、落球させた。
22日、同会場での前節。それまで無敗だったサントリーに21−18で勝った。ただ、好試合の次に負ける向きのある東芝は、このシーズンすでに2敗していた。今季から主将のNO8豊田真人は、「全体でどうしたらいいか、悩みました」。仙波の答えは、チーム云々以前に「個人が志を持ってプレーするのが大事」だった。さらに守備について、望月が言った。
「個人で対面の奴を止める。それを全員がすれば組織になる」
今回、それぞれの1対1の内容が、15対15での試合結果に繋がった。東芝は、プレーオフ進出を決めた。
(文・向 風見也)